外資系投資銀行における債券取引の実態を臨場感あふれる筆致で描きながら、近年の日本国債をめぐる危機的状況を伝え、国債価格暴落のタイミングを2019年と予測するリアルノベル『日本国債暴落』。その発売にあわせ、著者の桐谷新也氏に執筆の背景や国債市場の現状を聞いた。(聞き手・構成:横田大樹) ーー『日本国債暴落』は、2007年から2019年までという国債市場が激動する12年間を一気に描いた労作になりました。「桐谷新也」はペンネームですが、やはり本名やご職業などは明かせないのですね? 難しいですね……。そもそも日本では債券と聞いても、ピンとこない人がほとんどでしょう。さらに国債を証券会社と投資家が取引していると言われてもイメージしづらいと思います。つまりそれだけ狭い世界で国債市場は成り立っているのです。本書にも書きましたが、フロントオフィスと呼ばれる証券会社の市場取引に関わる部門で国債を扱っている