「最初は希望だったんです。でも、息子から笑顔が消え、私たち親子にとっては地獄のような日々でした」。 不正が行われていた障害者向けのグループホームに、息子をあずけていた母親の言葉です。 全国に事業所を展開していた株式会社「恵」。 食材費を過大に徴収するなど、組織的な不正が明らかになりました。 その陰で一体、何が起きていたのでしょうか。 (社会部 周英煥 / 名古屋放送局 鈴木博子・山下理華) 私たちは、「恵」の不正の実態を取材する中で、ある親子に出会いました。 千葉市に住む堀井弥穂(みほ)さん。 おととしまでの1年間、息子の龍飛さんが「恵」のグループホームで暮らしていました。 龍飛(りゅうと)さんは重度の知的障害があります。 言葉で意思を伝えることができず、気持ちが不安定になると、物を壊したり、大声を出したりすることがあります。 24時間の見守りが必要です。 「恵」のグループホームは、当初、