当時、中学校第3学年を舞台としたTBSのテレビドラマ『3年B組金八先生』を受けて、『サンキュー先生』は、小学校版の金八先生ともいわれた。物語は「生徒の成長と共に石松鈍器が成長する姿」「事なかれ主義の教員グループと、教育の理想を追求する教員グループの対立」として展開する。その一方で「生徒とその親子関係の心の闇」の問題にも踏み込んでいて、子どもを純粋無垢な存在と単純に捉えないテーマ性が与えられている。 同時期に国際放映が制作していた『あばれはっちゃく』との共通点も多い。俳優では、東野英心・浅川薫・西山勝仁・水島聡・吉田友紀が双方に出演しており、監督の山際永三、脚本の山根優一朗、テレビ朝日のプロデューサー落合兼武も「あばれはっちゃく」の主力スタッフであった。 石松鈍器 - 演 / 西田敏行 このドラマの主人公で、年齢は32歳。城南大学で国文学を担当する助教授であったが、教授に自分の論文を盗用され