店舗へと続く階段の手前には、そりに乗ったしろくまを引く冒険家が描かれた店の看板が。ほっこりと優しいタッチのイラストに心を掴まれ、その階段を登る人は少なくないだろう。 “冒険”という2文字は、なぜこんなにも人をワクワクさせるのか。未知なる世界との出会いがあるのではと、期待が高まる。 100平米弱の店舗には、約5000冊もの新刊と古本が並ぶ。本をセレクトしているのは、店主であり、北極冒険家として数々の実績を持つ荻田泰永だ。 「冒険研究所書店」という名ではあるものの、置かれているのは冒険や探検にまつわるものだけではない。 小説や絵本、ノンフィクション、写真集から人文書、実用書まで、ありとあらゆるジャンルの本が集められていることから、「街の本屋的な機能の方が大きい」と荻田は語る。客の7割は近隣の住民だ。 店内を1周すると、普段自分と接点がないような本にも巡り会える。5000冊は書店として決して多い