九州大医学部の110年余りに及ぶ歩みを伝える医学歴史館が4日、福岡市東区のキャンパスにオープンする。カルテや医療器具など63点を展示。故遠藤周作氏の小説「海と毒薬」のモデルになった太平洋戦争末期の米軍捕虜生体解剖事件の経緯を説明するパネルなど2点も展示品に含まれる。 事件は戦後、連合軍による軍事法廷で大学の組織的関与が否定され、九大はこれまでタブー視して公の場で説明することを避けてきた。ただ3月の医学部教授会で「開館を機に、負の歴史を公表するべきだ」との意見が出て、展示に踏み切った。今後、関連資料を増やすことも検討する。