力は見せかけ ロシアがウクライナから併合したクリミアで、プーチンの記者会見を見る市民 Pavel Rebrov-REUTERS ロシアのウクライナやシリアに対する軍事的関与には、世界のロシアに対する認識を操作しようという思惑が見え隠れしている。ISIS(自称「イスラム国」、別名ISIL)への空爆でアメリカと協調する構えを見せる一方で、アメリカの同盟相手であるウクライナやトルコ、シリアの穏健派反政府勢力への軍事攻撃も辞さない立場を堅持している。 【参考記事】シリア停戦後へ米ロとトルコが三巴の勢力争い ロシアは、ウクライナとレバント(トルコ、シリア、レバノンを含む東部地中海沿岸地域)の双方において、重要な地政学上の目的を達成しようとしている。クリミア半島やシリアにおける軍事基地を維持し、ウクライナがNATO(北大西洋条約機構)やEU(欧州連合)に組み込まれるのだけは阻止しようとしているのもその