国際連合の人間開発報告書によると、世界の85人の富豪が、35億人分に相当する財産をもっている。人間開発指数の上位はノルウェー、オーストラリアに次いでスイスが3位に入り、下位はアフリカの国々が占めている。 wlablack/Shutterstock.com 世界を見回したとき、いまがいい時代だとはなかなか言えない。生活の質や教育、経済の向上は停滞しているし、自然災害や政府の馬鹿げた政策、何百万人もの人々を飢えさせている紛争など、理由はさまざまだ。 この破滅的な状況を説明するのに、あるひとつの要素を見るだけで十分かもしれない。それは、世界で最も裕福な85人が、世界の半分にあたる35億人の貧しい人々と同じだけの財産を所有しているという事実だ。 いま世界では、22億人以上の人々が、国際連合開発計画(UNDP)が「多次元貧困」(multidimensional poverty)と定義する貧困のなかで