「子どもが生まれると、価値基準の判断がまったく変わる」。45歳男性が「経済的な理由で子を持たない人」へ伝えたいこと

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三木さん
家事シェア研究家として活躍する三木さんが子どもを持って感じている大きな変化とは(撮影:尾形文繁)
多様な角度から子どもを「産む・産まない」「持つ・持たない」論に迫る本連載。今回は子どもを持った男性に起きた心理的変化について聞いた。
昨今、経済的理由や個人の自由を追求したいという考えから、結婚や子どもを持つことに対して消極的な若者が一定数いることがメディアなどで取り上げられているが、45歳の三木智有さんは、「経済的な負担が大変だから産まないでおこう、とは考えないほうがいい」と語る。

娘が育つ家庭で自分に対して驚いたこと

家事シェア研究家としてNPO法人tadaima!の代表を務める三木さんは、コミュニティスクールの理事長を務める2歳下の妻、小学校4年生の娘と都内で暮らす。

「親子3人でいると、一緒に出掛けてもご飯を食べても、単純に楽しいと思えます。子どもの面倒をみないといけない、と思うと生活も規則正しくなる点もよいなと思います。独身時代のように夜遅くまで働かなくなりましたし、飲み会もめったに行かなくなりました」

変化があったのは、生活面だけではない。娘が育つ過程で自分でも驚いたのが、「嘘偽りなく、自分の命より大事なものができた」という初めての感覚を得たこと。

「映画やドキュメンタリーなどで、子どもが病気や事故に遭うと、親が『代わってあげたい』と言うじゃないですか。現実そういうニュースに接した際、『親御さんは代われるものなら自分が100回死にたい、と思うだろうな』と感じる解像度がまるで違う」。仕事でしんどいときなど、「この子のためにもがんばろう」と思うことは、「割と日常的にあるかもしれない」。

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