月の盆地にあった岩石が小惑星衝突によりはぎ取られ、推定1万7000年前に北西アフリカに落ちた。 21世紀に入り「月には水がある」という説が唱えられるようになって以来、人類の居住可能性を求めて、世界各国の宇宙機関や民間企業が月の水資源の研究や探査に熱を入れてきた。 そんななか、東北大学と共同研究チームが5年の歳月をかけて分析した月隕石「NWA2727」から、月の地下に大量の氷がある可能性を示す証拠が発見された! 研究リーダーの東北大学学際科学フロンティア研究所の鹿山雅裕助教はこう話す。 「今回の分析で、地球外には存在しないと考えられてきた水由来の鉱物『モガナイト』が月にもあることが初めてわかりました。日の当たる月の表面では水は蒸発してモガナイトを作りますが、地下では氷のまま残っていると考えられます。氷は地下数十cmから数mの領域にあると考えられており、イメージとしては霜のようなものです」 地