政治家の国会答弁にはしばしば本音隠しの言い回しが登場する(以下、括弧内は隠された本音)。 「遺憾に思う」「真摯に受け止める」(仕方がない)、「前向きに努力する」「慎重に検討する」「善処する」「可及的速やかに対処する」「〇〇する用意がある」「粛々と進める」(当面、何もしない)、「記憶にない」「失念した」(身に覚えがあるが、言えない)、「真意ではない」「念頭にない」(それが真意で、念頭にある)等々。 4月28日の衆参両院の本会議での麻生首相の答弁にも、本音隠しが随所に見られた。税制改革への取り組みを聞かれて、「着実な実施に向け、検討を進める」と述べた。おそらく「政権がずっと続くなら、そのとき改めて考える」というのが本音だろう。北方領土に関する政府代表の発言問題について、「これ以上の対応を考えていない」と逃げた。本音は「余計な発言だったが、とくに問題ない」といったところか。世襲制限問題では「十分