原因のウイルスは新型コロナではない。「ヒトヘルペス6(HHV-6)」という、昔からある、そして誰もが体内に持っている“お馴染み”にして“旧型”のウイルスなのだ。 誰もが赤ちゃんの時に感染するウイルス 研究の責任者である東京慈恵会医科大学ウイルス学講座の近藤一博教授に解説してもらう。 「HHV-6は、誰もが赤ちゃんの時に感染するウイルスです。感染すると発熱し、突発性発疹を引き起こしますが、いずれ自然に治癒し、ウイルスはそのまま体内に潜伏感染し続けます。潜伏感染中は特に悪さはしないものの、宿主(ウイルスが棲みついている生物のことで、この場合は“人間”)が疲労すると、唾液の中に出てきます。 その唾液の中のHHV-6が鼻の奥にある“嗅球”という器官に移動すると、HHV-6は“あるタンパク質”を作り出すことがわかったのです。このタンパク質は嗅球の細胞にカルシウムを流し込み、“アポトーシス”といって細