先週九大で開催されたイベントの、逐次記録ではなくかいつまんだメモです。なお、今回は例年とは異なり「教材」がテーマに入っているのが新しいところ。とはいえ自分にとっては鹿児島大学の北山さんの事例報告がいちばんためになったのですが。 講演1:学術情報流通の課題と展望〜オープンアクセスと大学図書館〜 NIIの尾城さん。テーマは「大学図書館はOAジャーナルにはどう向き合っていけばいいのか?」というもので、もちろん話題はAPC。 まずは海外と日本におけるOAジャーナルの情勢をまとめていく。増加傾向にあるOAジャーナルは、DOAJによると現在1万弱タイトルが存在している。それにともない悪徳OA出版社の問題も浮上している(後述する『調査』では1割強の研究者が悪徳OAジャーナルに投稿していたという結果が出た)。日本では2012年に支払ったAPCの総額が8億円という見積もりがあったり、2013年にBioMed
動向レビュー 査読をめぐる新たな問題 同志社大学社会学部:佐藤翔(さとう しょう) 1.はじめに:でたらめな「査読」論文 2014年2月、英Nature誌電子版に衝撃的なニュースが掲載された。SpringerやIEEEが出版している会議録の中に、コンピュータで自動生成された、でたらめな論文が掲載されていたというのである(1)。発見したのは自動生成論文を発見する技術を開発したフランスの研究者、Cyril Labbéで、彼の技術により100本以上の論文が自動生成によるものと特定された。その中には「査読が行われている」としていた会議録に載ったものもあった。 このような査読制度の信用をゆるがす告発が近年、相次いでいる。研究の質を担保するフィルターとして機能してきた査読に今、何が起こっているのだろうか。 2.査読とは:形態と意義 学術雑誌に論文が投稿されると、編集者は内容を審査するにふさわしい外部
大学/研究機関はOA費用とどう向き合うべきか<報告> 2014年8月4日,国立情報学研究所において第1回SPARC Japanセミナー2014「大学/研究機関はどのようにオープンアクセス費用と向き合うべきか-APCをめぐる国内外の動向から考える」が開催された。以下,概要を報告する。 はじめにセミナー企画者の一人である東京大学附属図書館の金藤伴成氏による趣旨説明が行われた。オープンアクセス(OA)雑誌における論文処理加工料(APC)について,Wikipedia英語版には「著者自身ではなく所属機関や研究資金提供者が支払う」と書かれていることを引きつつ,これは資金の出処が所属機関等であるというだけではなく,支払い手続きも機関が担うという意味に広げて捉えられるとし,機関がAPCに向き合うことの必要性が述べられた。 次いで京都大学附属図書館の井上敏宏氏により,2013年度に実施されたOA雑誌に関する
2014年3月28日、英ウェルカム財団のブログに” The cost of open access publishing: a progress report”と題した記事が掲載されました。この記事は2014年3月17日に同財団が公開していた、2012-2013年に同財団の助成の中からAPC(論文加工料)が支払われた論文のリストについて、その後の反応やそこから見えてきたことを紹介するものです。 記事によれば、ウェルカム財団によってデータが公開された直後から、有志によって元のリストにはなかった論文掲載誌のインパクトや各論文のライセンス、ハイブリッドオープンアクセス(OA)誌か完全なOA誌か、本当にOAになっているか等の情報が付け加えられていきました。その結果、助成を受けながらOAになっていない論文があったこと(たとえばElsevierは助成を受けていた422論文のうち6本がOAになっていなか
近年,読者が無料で論文を読めるオープンアクセスジャーナルが増加しつつあります。これらの多くは,著者が論文処理費用(Article Processing Charge: APC)を負担することにより出版費用を賄う方式が採られています。しかし,国内大学等の研究者によるオープンアクセスジャーナルに対する論文発表の状況は必ずしも明らかになっていません。本調査は,オープンアクセスジャーナルへの投稿の現状を把握し,今後のオープンアクセスモデルの在り方について検討するための基礎データとして活用することを目的としています。 ■調査対象者 調査にご協力いただける47機関の理学・工学・農学・医学・歯学・薬学等の自然科学系分野の研究者(大学院生は含みません)。オープンアクセスジャーナルへの投稿・発表の経験・予定の有無は問いません。 アンケート調査対象機関リスト(82K) (予備調査で協力可能とご連絡いただいた機
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7. オープンアクセスメガジャーナル、また、それに類するオープンアクセスジャーナルの 伸び率も著しく、今年PLOS ONE 1誌で出版される論文数は、STM分野全体の3%にあ たる3万本に達すると見込まれています。 ===memo 2013/10/23 Peter Binfield ”Open Access MegaJournals – Have They Changed Everything?” http://creativecommons.org.nz/2013/10/open-access-megajournals-have-theychanged-everything/ ・図キャプション:The annual volume of published articles published per year for (a) PLOS ONE (in red), and (b) PLOS
無精でツイートぐらしになってますが、アイコン邪魔だと思う。 それはさておき。 日本癌学会の英文誌Cancer Science、2014年からオープンアクセス誌に | カレントアウェアネス・ポータル http://current.ndl.go.jp/node/24396 日本癌学会 公式英文誌Cancer Scienceがオープンアクセス誌になります! | ワイリー・ヘルスサイエンスカフェ http://www.wiley.co.jp/blog/health/?p=3005 「料金など、詳細につきましてはこちらをご参照ください。」から Cancer Science - Article Publication Charges - Wiley Online Library http://onlinelibrary.wiley.com/journal/10.1111/(ISSN)1349-7006
2013年9月10日、生涯投稿料モデルのオープンアクセス誌“PeerJ”が、カリフォルニア大学バークレー校とケンブリッジ大学の2校について、新たに「機関版(Institute Arrangements)」に参加したと発表しました。これにより、PeerJでの論文発表を選択した2校の教員は、図書館の予算から自動で投稿料が支払われるとのことです。 なお、今回上記の2校が加入したことで、機関版参加機関は6機関となりました。 Newest PeerJ Institutional Arrangements – UC Berkeley and the University of Cambridge (PeerJ 2013/9/10付けの記事) http://blog.peerj.com/post/60832905876/berkeley-and-cambridge-join
The Digital Shift On Libraries and New Media, powered by Library Journal and School Library Journal Global information services company Swets this month launched a new service to help academic libraries pay and manage article processing charges (APC) on an institutional scale. The move comes in response to a sharp increase in fee-based open access publishing in the United Kingdom. “We’ve seen a re
2013年7月10日、学術雑誌の取次大手Swets社が、論文出版加工料(APC)の管理サービスの開始について、プレスリリースを出しています。特に図書館において、 オープンアクセス誌(ゴールドOA)のAPCの支払いの管理が煩雑化し負担が増加していることをうけ、それを軽減することを目指して開始するものとしています。 Swets launches Open Access APC management service(Swets, 2013/7/10付け) http://www.swets.com/swets-launches-open-access-apc-management-service Swets launches APC management service(Research Information, 2013/7/10付け) http://www.researchinformatio
アイオワ大学図書館が、同大学のOffice of Provostと共に、オープンアクセス(OA)への掲載料を支援する基金を設立したとのことです。この基金は大学図書館により管理され、OA誌での掲載については3,000ドルを上限に、“ハイブリッド”OA誌(著者がOA料金を支払うとその記事がOAになる雑誌)での掲載については1,500ドルを上限に、掲載料を助成するという形のようです。 OAの掲載料を支払うために使用できる他の助成を受けている研究者は利用できないとのことです。 UI pushes for open access to academic journals – Publication fees can be as much as $3,000 (press-citizen.com, 2013/4/21付け) http://www.press-citizen.com/article/20
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