≫HOME ≫事項リスト サンクション/制裁(sanction)/賞罰(reward and punishment) ◆概論 ・賞罰 □「reward and punishment という対概念は、近代市民社会の倫理的基礎が主題的に探究された18世紀のイギリスにおいて倫理学に定着したものである。この流れを受けたベンサムは、『道徳および立法の諸原理序説』第3章において、快苦を通じて「行為のなんらかの法則または基準に拘束力を与えることができる」ものを、「サンクション」(制裁)と呼び、(1)自然の通常の過程に基づく物理的サンクション、(2)政治権力が与える政治的サンクション、(3)世論や評判に基づく道徳的サンクション、(4)神が与える宗教的サンクションの四つを区別した。これらすべてを総括す・・145 る意味での賞罰は、「賞」「罰」両義を含んでいる「報い」とほぼ同じ意味を帯びる(西洋においても