イラクの多国籍軍に部隊を派遣している国は国連に加盟している192カ国のうち32カ国(16・6%)にすぎず、さらに減少中で、アメリカの同盟国約60カ国中18カ国以下だ。「国際協調」と言ってもむしろ国際社会で孤立した少数派に日本はくみした形だ。しかもイラクでゲリラ活動が広がり、混乱長期化が確実となっていた03年12月末から自衛隊の派遣を始めた。これは第2次大戦中の1941年12月6日ソ連軍がモスクワ前面で総反攻を開始した2日後に真珠湾を攻撃し、ドイツ側に立って参戦した苦い経験を想起させる。 こうした日本政府の判断の一因は「日本はアメリカに守ってもらっているから仕方ない」という観念だろう。日本人一般にもこの「刷り込み」は浸透し、自衛隊の能力を過小評価し、米軍の日本防衛への貢献度を過大評価しがちだ。実際に日本は防衛をどの程度米軍に依存しているのか、再検証が必要だ。 在日米陸軍は人員約1600人。神