煽りません! プロ直筆、一生モノの資産運用「いまやっていいこと、悪いこと」 (15)

米国株に暗雲? 人気復活の毎月分配型投信は買いか(前編)

執筆者:福田猛 2025年3月17日
タグ: マネー
beeboys/stock.adobe.com
ここ数年、投資信託はS&P500連動型やオルカンに代表される全世界株式を対象としたインデックスファンドが資金流入の主流だ。しかし、「毎月分配型投信」の人気も復活している。その多くは米国IT企業に投資するテーマ型投信だが、このブームは健全なのだろうか。改めて人気のテーマ型投信と毎月分配型投信について考えたい。

 

「S&P500」「オルカン」の陰に隠れて「毎月分配型」が復活

 2024年に新しいNISA(少額投資非課税制度)がスタートして以降、投資信託の主役は「S&P500」と「オルカン」をはじめとするインデックスファンド(指数連動型投資信託)だ。とんでもない勢いで資金流入が続いている。2025年2月末時点で、eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)の残高は6兆6178億円、eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)の残高は5兆3942億円まで増えている。2021年4月末では同S&P500が3960億円、オール・カントリーが1596億円だったことを考えるとここ数年の驚異的な伸びが実感できる。

 

 上の図は2025年2月の投資信託資金流入ランキングだ。依然としてS&P500とオルカンの資金流入は続いているが、この「2大投資信託」の陰に隠れて最近資金流入が増えているのが2000~2010年代に一世を風靡した「毎月分配型投資信託」だ。同月には3位、5位、6位に3本ランクインした。

改めて「毎月分配型投資信託」とは?

 毎月分配型投資信託とは文字通り、毎月分配金を受け取れる魅力的な投資信託だが、「分配金」という言葉からイメージするものと実態は異なる。

 分配金と言われると、株式の配当金や利息のように「元本とは別に支払われる」というイメージはないだろうか。しかし、それは違う。

カテゴリ: 経済・ビジネス
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執筆者プロフィール
福田猛(ふくだたけし) ファイナンシャルスタンダード株式会社代表取締役。同志社大学卒業後、大手証券会社を経て、2012年ファイナンシャルスタンダード設立。著書に『この世でいちばん臆病な投資生活』(サンマーク出版)、『お金の不安から一生自由になれる 考えない投資生』(飛鳥新社)、『プロがこっそり教える資産運用のはじめかた』(毎日新聞出版)などがある。2020年、一般社団法人ファイナンシャル・アドバイザー協会理事就任。ファイナンシャルスタンダード公式サイト https://fstandard.co.jp/
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