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これでいいじゃん! 「ワンパターン弁当」

藤井隆さん×藤井恵さんの、お弁当が続く秘訣対談

【藤井 隆さんのお弁当】娘さんへ作りはじめて5年!続けられている理由とは?

  • 藤井 恵

2025.03.07

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楽しく定番を繰り返す。だから続く!

これでいいじゃん!「ワンパターン弁当」

お弁当作りが大変なのは、手順やおかずの組み合わせを試行錯誤したり、バリエを増やそうとあれこれ迷うから。思いきって型を決めれば、問題は解決! 自分なりのパターンにたどり着いてラクに楽しく作り続けている方のお弁当を拝見。今回は藤井 隆さん&藤井 恵さんのお弁当対談! 藤井 隆さんのワンパターン弁当は…。

これが私たちのワンパターン弁当です!

藤井 恵さんの本も愛読。弁当作り歴5年の藤井 隆さん、登場!

”ダブル藤井”のお弁当が続く秘訣対談

恵さんの著書も参考にしながら、娘さんにお弁当を作り続ける隆さん。「ようやく会えた!」と待望の対面で、聞きたいことがたくさんです。

藤井 隆さん

お話を伺ったのは

藤井 隆さん

1992年5月吉本新喜劇入団。以降、マルチな才能を発揮し、人気を集める。2000年『ナンダカンダ』で歌手デビューし、紅白歌合戦に初出場。現在は、舞台にドラマ、音楽など多岐にわたって活動する。

藤井 恵さん

お話を伺ったのは

藤井 恵さん

雑誌、書籍、テレビなど、多岐にわたって活躍。家庭で無理なく作り続けられる、素材を生かしたレシピで人気を博す。YouTubeチャンネル「藤井食堂」でも、レシピ動画を配信中。



好きなものは全部入れてあげたくて、ついついボリューム多めです

藤井 隆さん

藤井 隆さん
ニット・カットソー/メゾン キツネ カスタマーセンター(メゾン キツネ) エプロン/スタイリスト私物

藤井隆さん(以下 お目にかかれてうれしいです! 実は、お弁当を作ろうと決めたとき、まず参考にさせていただいたのが『藤井弁当』だったんですよ。あの表紙のビジュアル、まさに自分が食べたいと思うお弁当だったし、「お弁当は、もっと簡単でいいんだよ」って言っていただけた気がして。

藤井恵さん(以下 それは光栄です! お弁当作りはとにかく“続ける”のが大変。私も料理研究家ながら、とても苦労しましたから。あの本はまさに、実体験から生まれた本。使う道具も手順もワンパターンにすることで、無理なく続けられる方法を皆さんにお伝えしたかったんです。

 本を拝見して、卵焼き器を使って最初に野菜をゆでるとか、本当に目からうろこで。しかも、卵焼き器を洗わずにそのまま卵焼きを作れるとか、これもまた驚きで。

 そこまで参考にしてくださったなんて! ところで、隆さんがお弁当を作り始めたきっかけは?

 コロナ禍の頃、家にいる時間が長くなったのがきっかけではありますね。子どもが中学生で作りやすいタイミングだったこともあって、「じゃあ、気分転換も兼ねて作ってみようかな」と。僕の場合はなんというか、あくまでレジャーの一環のようなものなので、えらそうなことは言えないんです。

 いえいえ、とても大変なことだと思いますよ。

 いや、いいとこどりをしちゃってるなあと、妻に申し訳なく思ってます。娘が小さい頃のお弁当は、ずっと妻が作ってくれていましたから。小さな子って食べられるものも味つけも限られているし、量も本当に少しずつだし、すごく大変。僕が担当しているのは中学生になってからだから、大人と同じものを詰めればいいだけ。お弁当に対する気の使い方は、あの頃の妻とは全然違うと思うんですよ。妻は同じ時間に起きてほかの家事をしていて、僕が寝坊したときは手伝ってくれるし、本当に作れないときは、代わりに作ってくれちゃいますし。責任の重さが、世の中の“本当にひとりで毎日作っている皆さん”と同じとは、とても言えないんです!

毎朝6時半から作ってます 愛を感じる素晴らしいお弁当ですね!

お弁当を作り続けるのは、家族が喜ぶ顔を見たいから

 今回、隆さんの作ったお弁当を拝見して、愛情のあたたかさが伝わってきて、とても感動しました。色合いもおかずの種類もすごく考えられていて。これ、“ワンパターン”なのかしら?

 娘の好きなサバの塩焼きは、ほぼ毎回入れてます。冷凍でストックしてあるほど。あと、色みがかわいいから、赤パプリカのマリネも冷蔵庫に常備。

 なるほど! そこをパターン化することで、おかずが多くても続けやすくなるわけですね。

 あと、かぼちゃも好きなので、いつもストックしてあるし、ごぼうが好きだからごぼうの肉巻きも定番だし……。卵焼きもほぼ毎回入っていますね。好きなものは繰り返し入れています。

 大好物ばかり入れてあげているんですね。なんてうれしいワンパターン! 確かに、作り慣れた定番のおかずがあると、お弁当作りはとてもラクになりますよね。うちの娘たちもなんですが、子どもって、好きなものだったら、実は何日続いたって少しも嫌がらないんですよね。「同じものばかり作っちゃった」なんて気にしているのは、むしろ作る側だけだったりするんです。私は、お弁当って家から持っていく“お守り”のような存在だと思っているんです。作る人と食べる人の間に、絆が生まれるの。だから、お弁当のフタを開けたときに好きなものばかり入っていると、お嬢さんはその想いを受け取って、とてもうれしいはず。

 僕がお弁当作りを続けられているのは、まさにそこで。娘が喜んでくれる、そして妻も喜んでくれる、それに尽きるんです。

 同感です。ラクできる作り方も続ける秘訣ですが、本当の意味で作り続けてこられたのは、家族が喜んでくれるからですよね。

 そういえば高校時代を思い出すと、母はお弁当にいつも僕の好物ばかり入れてくれていました。卵焼き、れんこんのきんぴら、そして唐揚げ。きんぴらといっても塩・こしょうの味つけで、ブラックペッパーとテーブルコショーを両方使っていて。僕は毎日それがよくて、母も「いいよ」って毎日作ってくれて。でも実は、すごく後悔していることがあるんです。高校に食堂があったんですね。「たまには食堂行きたい」なんて言ったことをすごく申し訳なく思ってる。母は、特に覚えてもいないと思うんだけど。

そういえば高校時代を思い出すと、母はお弁当にいつも僕の好物ばかり入れてくれていました。

藤井 隆さんのワンパターン弁当は…

娘が好きなおかずをリピート! 曲げわっぱ弁当

定番は、娘さんの大好きなサバの塩焼き、カボチャのソテー、卵焼き。ノリを巻いたおかずは、さつまいものマッシュ

「曲げわっぱは、恵先生の『藤井弁当』の表紙を見て購入したもの。気分転換にプラスチック製のお弁当箱を使うこともあります」(藤井 隆さん)。定番は、娘さんの大好きなサバの塩焼き、カボチャのソテー、卵焼き。「右上のノリを巻いたおかずは、さつまいものマッシュ。前日に作ったらおいしいと言ってくれたから、次の日も張り切って、俵形に整えました」(藤井 隆さん)


Staff Credit

撮影/須藤敬一 ヘア&メイク/柳 美保(藤井隆さん) スタイリスト/奥田ひろ子(藤井隆さん衣装)
フードコーディネーター/斉藤礼奈 取材・原文/福山雅美
こちらは2025年LEE4月号(3/7発売)「これでいいじゃん! 「ワンパターン弁当」」に掲載の記事です。

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