■anond:20250308193800

安全保障のジレンマ（Security Dilemma）とは？

安全保障のジレンマ（Security Dilemma） とは、国際政治における逆説的な状況を指し、

「ある国が自国の安全を高めるために軍備を増強すると、他国がそれを脅威とみなして軍拡し、結果的に全体の安全が低下してしまう」 という現象を意味します。

基本的なメカニズム

• 国Aが自国の安全のために軍備を増強する
  • 目的：防衛（純粋に自国を守る意図）
  • 例：新しい兵器の配備、国防予算の増加、基地の設置など
• 国Bがこれを脅威と受け止める
  • 国Aは単に防衛を強化しているだけだが、国Bには「攻撃の準備では？」と映る
  • そのため、国Bも軍備を増強し始める
• 軍拡競争が発生
  • 国Aも「国Bが軍拡をしている！ これは脅威だ」と考え、さらなる防衛強化を図る
  • 結果として軍拡競争が加速し、お互いの不信感が増す
• 安全が低下
  • 両国とも「自国を守るため」に動いているにもかかわらず、相手を刺激し、戦争のリスクが高まる
  • 最悪の場合、誤解や誤算が原因で戦争が勃発する

このように、各国が自国の安全を追求するほど、逆に不安定になってしまう という矛盾が「安全保障のジレンマ」です。

トランプ政権と安全保障のジレンマ

トランプの外交政策（特に「戦争を避ける姿勢」）は、別の形でこのジレンマを引き起こしました。

• アメリカが軍事的関与を減らす → 同盟国（日本・欧州）が不安になり防衛力を強化
• アメリカがウクライナ支援を控える → 欧州が自前で防衛力を強化し、ロシアとの対立が深まる
• 結果として、逆に国際的な軍事的緊張が高まる

つまり、「軍拡によるジレンマ」だけでなく、「軍縮・撤退によるジレンマ」もある ということです。

Permalink | 記事への反応(1) | 19:50

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