2025-02-17

anond:20250217032556

フィルタ回路?

>(4) ノイズ対策

フィルタ回路を追加し、雷や外部ノイズによる誤信号の混入を低減。

フィルタ回路とは何ですか?

1. フィルタ回路とは?

フィルタ回路は、不要ノイズ高周波低周波干渉)を除去し、必要信号だけを通す回路 です。

電信通信においては、雷、誘導ノイズ地磁気変動などによる不要電流カット する役割を果たしました。

2. ノイズの種類と影響

(1) 雷(サージノイズ

雷の影響で強い電圧変動が発生し、電信線に一瞬大きな電流流れる

これがモールス符号の「短点(・)」や「長点(―)」に誤認される 可能性がある。

(2) 他の電信線との干渉クロストーク

複数電信線が並行して走っていると、お互いの信号干渉することがある。

これにより、「H」を送信したつもりが「I」に誤認されるなどのエラーが発生。

(3) 誘導電流(電磁ノイズ

近くに高電圧電線があると、電磁誘導によって不要電流が発生 し、電信信号乱れる

3. フィルタ回路の仕組み

フィルタ回路には**「特定周波数帯の信号だけを通し、それ以外を遮断する」** という働きがあります

これにより、ノイズを除去し、純粋電信信号だけを伝送することが可能になります

(1) ローパスフィルタ(低域通過フィルタ

一定以上の周波数カットし、低周波信号モールス信号)だけを通す。

これにより、高周波ノイズ(雷や誘導電流)が影響しにくくなる。

(2) ハイパスフィルタ(高域通過フィルタ

低周波ノイズ地磁気変動など)をカットし、必要信号だけを通す。

例えば、低い電圧の誤信号地磁気の変化による微弱な電流)を防ぐ。

(3) バンドパスフィルタ(帯域通過フィルタ

モールス信号周波数帯域(例:300Hz~800Hz)のみを通し、それより高すぎる or 低すぎる信号カット

必要範囲信号のみ通すため、誤信号の発生率が大幅に減少。


4. 電信での実装方法

フィルタ回路は、次のように電信システムに組み込まれました。

(1) 受信側にフィルタ回路を追加

モールス電信の受信機の前にフィルタを挿入し、ノイズを除去してから信号を受信する。これにより、オペレーター不要ノイズを聞かずに済む。

(2) グランド(接地)回路の強化

電信線の片側を地面に接続し、雷や外部ノイズを地面に逃がす「避雷回路」 を導入。雷が落ちた際、フィルタを通じてノイズグラウンドに逃し、受信機が誤動作しないようにした。

(3) ツイストペア線の導入

電信線を「ツイストペア(2本の導線をねじる)」構造にすることで、電磁ノイズの影響を減らす。これにより、隣の電信から干渉クロストーク)が大幅に軽減。


5. 現代への応用

フィルタ回路の技術は、現在通信技術にも応用されています

技術 説明

電話回線ノイズフィルタ アナログ電話回線では、低周波ノイズカットするフィルタが使われる。

インターネットルーター 高周波信号だけを通すフィルタを搭載し、データ通信信号品質を向上。

Wi-Fiバンドフィルタ 必要周波数(2.4GHz, 5GHz)だけを通すことで、干渉を防ぐ。

なぜねじる?

電信線を「ツイストペア(2本の導線をねじる)」構造にすることで、電磁ノイズの影響を減らす。

なんでねじるだけでそのようなことが可能なのですか?


ツイストペア線Twisted Pair)の仕組みとノイズ低減の原理

電信線を「ツイストペア(2本の導線をねじる)」構造にすることで、電磁ノイズの影響を減らすことができます

これは、電磁誘導干渉原理を利用した技術で、現在LANケーブル電話回線にも応用されています

1. なぜツイストペアノイズを減らせるのか?

ツイストペア線では、2本の導線をねじることで、外部ノイズの影響を打ち消す効果があります

(1) 外部ノイズの影響を平均化

例えば、電信線の周囲に**外部ノイズ源(電磁波、雷、他の電線の影響)**があるとします。

2本の導線が平行に配置されている場合、片方の導線だけに強くノイズが影響する可能性がある。

しかし、導線がねじられていると、外部ノイズの影響が導線全体で均等になり、結果として平均化される。

(図示:外部ノイズが発生する例)

平行な電線: 外部ノイズが不均等に影響
  ───────────  ← ノイズ(強い影響)
  ───────────  ← ノイズ(弱い影響)
ツイストペア線: ノイズが交互に影響し、平均化
\/\/\/\/\/\/\/  ← ノイズ(平均化)
/\/\/\/\/\/\/\

(2) 電磁誘導の打ち消し

電線流れる電流は、周囲に**磁場電磁波)**を発生させる。

ツイストペアでは、隣接する部分で磁場の向きが逆になるため、互いに打ち消し合い、ノイズが発生しにくくなる。

ワンタイムパッドってなに?

>(2) 乱数表を用いた暗号化

乱数表を使ってモールス符号を変換し、意味を隠す方法が開発された(ワンタイムパッド方式の先駆け)。

ここを詳しく教えてください

モールス電信では、盗聴のリスクを防ぐために暗号化技術が発展しました。その中でも、乱数表を利用した暗号化は、後に「ワンタイムパッド(One-Time Pad)」として発展する重要技術の先駆けでした。

1. 乱数表を用いた暗号化の仕組み

乱数表を使った暗号化は、送信する内容を事前に用意したランダムな数列と組み合わせて変換する方法です。

これは、一度しか使えない乱数を使うことで、解読がほぼ不可能になるという特徴があります

(1) 暗号化の手順

1.送信するメッセージを用意(例:「HELLO」)

2.事前に用意した乱数表を使う

例えば、「HELLO」に対して「37492」という乱数を割り当てる。

3.乱数メッセージを加算して符号

「H(8)+3 = 11」、「E(5)+7 = 12」、「L(12)+4 = 16」……

これを「11 12 16 16 25」として送信

4.受信者は同じ乱数表を持っており、復号する

11-3 = 8(H)」、「12-7 = 5(E)」……として元のメッセージ復元

2. 具体的な暗号化の例

(1) 乱数表の例

文字: A B C D E F G H I J K L M

乱数値: 3 7 4 9 2 5 8 3 6 1 0 4 7

文字: N O P Q R S T U V W X Y Z

乱数値: 2 5 3 9 1 4 7 8 6 2 3 5 0

(2) 送信するメッセージ

HELLO

(3) 乱数適用して変換

H(8)+ 3 = 11

E(5)+ 7 = 12

L(12)+ 4 = 16

L(12)+ 4 = 16

O(15)+ 5 = 20

送信される暗号文は:

11 12 16 16 20

3. 乱数表方式メリット

(1) 非常に強力な暗号化

事前に用意された 完全にランダムな数列 を使うため、乱数表を持っていない第三者が解読することは不可能

暗号文のパターン存在しないため、頻度分析による解読ができない。

(2) 一度しか使えない(ワンタイムパッド)

同じ乱数表を繰り返し使用すると解読されるリスク高まるため、使い捨てにするのが基本。

「ワンタイムパッド(One-Time Pad)」の基礎になった技術

(3) 盗聴対策

たとえモールス符号が傍受されても、受信者が持つ乱数表なしでは意味を解読できない。

4. 乱数表方式デメリット

(1) 事前に乱数表を共有する必要がある

送信者と受信者が 同じ乱数表を持っていないと通信できない。乱数表安全に配布する必要があり、これ自体が盗まれリスクがある。

(2) 一度しか使えない

同じ乱数表を何度も使うとパターンが発生し、解読される可能性がある。通信ごとに新しい乱数表を準備する必要がある。

5. 歴史的な応用

(1) 軍事通信19世紀末~20世紀)

軍隊では、電信の盗聴を防ぐために乱数表暗号採用特に第一次世界大戦第二次世界大戦では、機密電報暗号化に利用された。

(2) ワンタイムパッド(One-Time Pad)の確立

乱数表暗号アイデアは、後に「ワンタイムパッド暗号」として正式確立。これは理論上、絶対に解読不可能暗号方式であり、現在でも**超機密通信政府・軍・外交通信)**に使われている。

6. 現代への影響

乱数表を用いた暗号化は、以下の技術に発展しました:

技術 説明

ワンタイムパッド(One-Time Pad) 完全に安全暗号方式数学的に解読不可能

暗号鍵の生成技術 コンピュータでの乱数生成に応用

現代のエンドツーエンド暗号通信 メッセージごとに新しい暗号キーを使う発想

この仕組みについて、さらに詳しく知りたい部分(例えば乱数表の作り方、実際の軍事暗号の事例、現代暗号技術との関係)があれば、ぜひ質問してください!

どの乱数表つかうの?

乱数表を事前に共有するのは分かったのですが、送信者がどの乱数表を使ったのか分からないので受信者もどの乱数表を使えばいいのか分からなくないですか?

乱数表を事前に共有している場合送信者と受信者はどの乱数表を使うのか?

乱数表を使った暗号通信では、送信者と受信者が同じ乱数表を選んで使う必要があります

これを実現するために、以下の方法が考案されました。

1. 乱数表管理方法

送信者と受信者がどの乱数表を使うかを決める方法には、次のような方法があります

(1) 事前に順番を決めておく

乱数表リスト」**を事前に作成し、「1番目の乱数表 → 2番目の乱数表 → 3番目の乱数表」という順番で使用する。

送信者も受信者も、現在通信で 何番目の乱数表を使うのかを把握しておけば、同じものを使える。

1. 乱数表A(2024/02/17用)

2. 乱数表B(2024/02/18用)

3. 乱数表C(2024/02/19用)

2月17日送信する場合乱数表A を使用

2月18日送信する場合乱数表B を使用

送信者と受信者が 同じスケジュールに従って進めば、どの乱数表を使うべきか分かる。

(2) メッセージの中に乱数表識別番号を埋め込む

暗号文の先頭や末尾に、乱数表識別番号を入れておく。

信者識別番号を見て、対応する乱数表を使って復号する。

例(識別番号方式

暗号文:「12-48-93-55-02 (ID: 23)」

送信者が乱数表ID: 23」を使った場合、受信者は 「乱数表23」を選んで復号する。

(3) ワンタイムパッドの冊子を使用

事前に物理的な冊子を作成し、ページ番号を基準使用

例えば、通信のたびに1ページずつ破棄しながら進むことで、送信者と受信者が同期できる。

1ページ目:乱数表A(1回目の通信

2ページ目:乱数表B(2回目の通信

3ページ目:乱数表C(3回目の通信

使用したページは破棄することで、再利用を防ぐ(安全性が向上)。

(4) 日時を基準にする

例えば「2024年2月17日」のメッセージには、事前に決めた「2024/02/17用の乱数表」を使用

信者も同じルールで進めば、乱数表自動的に同期する。

2月17日乱数表 A

2月18日乱数表 B

2月19日乱数表 C

送信者と受信者カレンダーを共有していれば、追加の情報なしで同期が可能


(5) 数字放送ナンバーズステーション)の活用

スパイ軍事通信では、「数字放送」と呼ばれる短波ラジオ放送を利用し、乱数表識別情報を事前に送る方式が使われた」。

ラジオで**「本日キーは56」と送れば、受信者は「乱数表56」を使用する**ことができる。

2. 乱数表管理安全

一度使用した乱数表は必ず破棄し、再利用しない(ワンタイムパッド方式)。

乱数表が盗まれると危険なので、軍事スパイ通信では 使用後に物理的に燃やす(焼却処分) こともあった。

3. まとめ

送信者と受信者が同じ乱数表を選ぶ方法

事前に順番を決めておく(1回目の通信乱数表A、2回目→乱数表B)

メッセージ内に乱数表識別番号を含める(例:「ID: 23」を記載

ワンタイムパッドの冊子を作り、ページ番号順に使う

日付ごとに対応する乱数表を使う(例:2024/02/17乱数表A)

ナンバーズステーションのような方法で、事前に識別情報を伝える

識別認証コードってなに?

>3. 通信改ざん対策

>(1) 送信者の識別

>各電報には、**送信元の情報識別コード)**を付加し、なりすましを防ぐ仕組みが取られた。例:軍の電信では、送信者の認証コードを含めることで、偽のメッセージ排除

これはどういうことですか?

通信改ざん対策:(1) 送信者の識別

電信通信では、悪意のある第三者が偽のメッセージ送信し、受信者を騙すリスクがありました。

これを防ぐために、**送信者が本物であることを証明する仕組み(識別コード認証コード)**が導入されました。

1. なぜ送信者の識別必要なのか?

(1) なりすまし攻撃リスク

敵国やスパイが偽の軍事命令を送る可能性があった。例えば、**「本日午後3時に攻撃を開始せよ」**という偽の命令を送れば、相手を混乱させることができる。

(2) 本物の送信者を識別する必要

送信者が「本物」であることを確認しないと、受信者メッセージが信頼できるかどうか判断できない。そのため、送信者の識別情報認証コード)を追加し、受信者確認できる仕組みが作られた。

2. 送信識別方法

送信者の識別には、いくつかの手法が用いられました。

(1) 固有の識別コード付与

送信者ごとに 「ユニーク識別コード」 を設定し、電報最後に付加。受信者識別コードをチェックし、本物の送信であることを確認

📌 例(軍事電信識別コード

ATTACK AT DAWN. [CODE: XJ-472]

「XJ-472」が正しい識別コードなら、本物のメッセージ判断

偽の電信を送る者は、正しい識別コードを知らないため、識別される。

(2) 送信者の署名シグネチャー

送信者ごとに 決められた特定の「符号モールス符号パターン)」を入れる ことで、なりすましを防ぐ。

これは現代の「電子署名」のような仕組み。

MESSAGE: MEET AT POINT B

SIGNATURE: -.. .- ... .... (DASH)

送信者の

記事への反応 -
  • 先生何でも知ってるな 電気通信が登場するより前の通信の歴史 今日は通信の歴史について学びたいです、電気通信が登場する以前の通信の歴史についてお教えてください 高卒おじ...

    • 中継局(リレー)ってなに? 中継局(リレー)の仕組みを教えてください 電信通信において、距離が長くなると電流が減衰し、信号が弱くなる問題が発生しました。この問題を解決...

      • フィルタ回路? >(4) ノイズ対策 >フィルタ回路を追加し、雷や外部ノイズによる誤信号の混入を低減。 フィルタ回路とは何ですか? 1. フィルタ回路とは? フィルタ回路は、不要...

        • 識別認証コードってなに? >3. 通信の改ざん対策 >(1) 送信者の識別 >各電報には、**送信元の情報(識別コード)**を付加し、なりすましを防ぐ仕組みが取られた。例:軍の電信で...

          • 電話 グラハム・ベルの作った電話の仕組みを教えてください アレクサンダー・グラハム・ベル(Alexander Graham Bell)は 1876年 に電話(Telegraphy)を発明しました。 彼の電話機は、音声...

            • 電話線のリピーター(中継器)と電信線のリレー(中継器)は仕組みが違うんですか? 電線を通る電流を増幅して中継するという点で同じように思えたのですが 電話線のリピーター...

              • 無線 マルコーニが作った無線電信について教えてください マルコーニの無線電信(無線通信)の仕組み グリエルモ・マルコーニ(Guglielmo Marconi)は、1895年に無線電信(Wireless Telegraph...

                • 初期の時点では音声(アナログデータ)ではなくモールス符号(デジタルデータ)だけしか無線で扱うことができなかったのですね 原因は電話線のリピーター(中継器)が直面したよ...

                  • 連続波(Continuous Wave, CW)とは何かを教えてもらえますか 連続波(Continuous Wave, CW)とは何か? 連続波(Continuous Wave, CW)とは、一定の周波数と振幅を持つ連続的な電磁波(正弦波)の...

                    • CWとパルス波の数学的な違いをなるべく簡易に高卒おじさんに理解できるように説明してください 数学的な話というと難しくなりがちですが、「波」 をイメージすれば意外とシンプル...

                      • なんで振幅がAなんですか?

                        • (1) A(振幅)とは? A は、パルスの高さ(振幅) を表します。 例えば、電圧なら「5V」や「12V」などの値になります。 この説明に対して「なんで振幅がAなんですか? 」という...

                      • 連続波の具体的な回路図を教えてください 連続波(CW)発信器の具体的な回路図と解説 CW(Continuous Wave, 連続波)は、無線通信やモールス符号送信などで使われる基本的な波形です。 ...

                        • Q1(NPNトランジスタ, 増幅素子)の役割がちょっとわからないです、もっと高卒おじさんにも分かるように解説してください Q1(NPNトランジスタ)の役割をわかりやすく解説! Q1(NPNト...

                          • 水晶発振子について質問です ChatGPTさんは「3.579MHzの水晶を使うと3.579MHzのCWが出る」と回答してくれましたが、周波数は水晶発振子によって固定されるということですか? そうだとし...

        • 電信は電線を使いますが、1本の電線でコミュニケーションできるのは1組だけと言う理解でいいですか? 電信では1本の電線で1組の通信しかできないのか? 結論から言うと、基本的に...

          • 周波数多重化を使用する場合は、事前にだれがどの周波数を使用するか決める必要があるのではないでしょうか? 周波数多重化(FDM)では事前に周波数を決める必要があるのか? は...

            • 周波数ホッピング方式の特許をハリウッド女優と作曲家が取ったって本当ですか!? なぜ専門家でない彼らが特許を取ったのですか? 嘘ついてない? はい、本当です!1941年、ハリ...

              • 今までの話を聞いていると送信者と受信者で時間を合わせることが非常に重要に思えます 19世紀の頃などはどのように対応していたのですか? 19世紀の通信における「時間の同期」...

記事への反応(ブックマークコメント)

ログイン ユーザー登録
ようこそ ゲスト さん