このニュースだ。
https://news.livedoor.com/article/detail/28086255/
岐阜県土岐市の市消防本部が、市内のホームレスの男性について「声かけに応じない」などと119番通報を受けたが、救急車を出動させず、男性が翌日死亡が確認されていたことが分かった。市は適切な対応だったかを調べている。
Xやまとめサイトなどで様々な憶測、想像、弱者切り捨ての差別思想などが乱れ飛んでいる。
しかしそれは感想に過ぎないものがほとんどで知識をもって語られていないものがほとんどだと感じだ。
だから俺が職業柄(救急救命士ではないが)持っている知識(たいしたものではないが)を記しておく。
一緒に考えてみてくれ。
まず、基本的な知識としてもっていたいのが、救急車代は無料であるということ。
だからタクシー代わりや一日に十回呼ぶようなやつもいるので救急隊は日々頭を悩ませている。
しかし、それでも119されたら百%出動しなくてはならないのである。命に関わる仕事だからそうなっている。
119に通報があり救急車を要請されたら指令室の端末にデータが残る。
今回のケースでは、端末にデータが残ってて呼ばれたのに出動しなかったのが即バレしたんだろうな。
今回起きたのは恐らく「指令室」が「救急隊」に伝えなかったことで起きた悲劇と予想する。
何故指令室が職務を放棄して100%出動の義務を破り捨てたのかだが、ここが本当に謎。わけがわからない。
もしみんながヤバいことになった時救急車を呼んだのに来なかったらどうする?
これは1人のホームレスの話ではなく我々全員が必要とする救急救命を受ける権利が脅かされているという恐ろしい初端だ。
・ホームレスは医療費を払えない、保険料を納めていないから医療を受ける権利はないという主張
実はホームレスは医療を無料で受けられるので医療費云々はまったく問題ではない。
社会福祉の中にホームレス自立支援法というのがあって、その中に無料低額診療という制度が定められている。
これは貧困者が医療費がなくても救済される福祉であり、今回のケースでも利用可能である。
以上2点、救急車代も医療費も無料であることを前提とすると、ホームレス側に権利がなかったわけでは絶対にないのだ。
こんなケースは初めてだ。先に述べたようにどんなケースであれ救急車を呼ばれたら100%出動しなくてはならないからだ。
救急車を呼んでも来ない可能性がある、というケースが出来てしまった。おおごとではないか?
余談
・ホームレスはなぜ生活保護を受けないか、彼らは支援を拒んでいるのだから救急車も必要ないという意見
ホームレスの方々は真面目な方が本当に多い。意外に思われるかもしれないが。
その真面目さゆえに人様のお世話になりたくないと路上で自活の道を選ぶ方が多い。
基本、寝床さえなんとか確保出来ていれば食費とあとちょっとを稼げばなんとかなるらしい。
そのため動ける人は日雇いに出たりタイミーに出たり(高齢だと難しいらしいが)して日銭を稼いでいる。
日雇いが出来るレベルなら銭湯に行ったり、ほか弁を食べたり、身ぎれいない服を調達したりしているホームレスの人もいる。
出来なければ、今成立するのかどうか分からないが空き缶拾い、雑誌拾いという仕事がある。
雑誌に関しては、東京に居れば路上で週刊漫画や週刊誌が安く売られているのを見たことがある人もいるのではないだろうか?
俺がそれを見たのはもうずいぶん前だし、何よりホームレス自体減ってるから今もあるか分からないが。
あれは始発で山手線に運賃を払うか不法に入るかしてゴミ箱から雑誌を集め、30~40冊ほど集まったら元締めに売りにいくという日銭稼ぎだ。
これもずいぶん前の話なので今も出来るのかどうかわからないが。
そう、ホームレスの方々は怠惰でああなってるわけではない。多くのホームレスが時に常識はずれと思えるぐらい生真面目だったりする。
あと精神障害、知的障害だったりもあるので支援がもっとややこしくなっていたりする側面もある。
我が国が誇るセーフティネット、生活保護。だがその捕捉率は20%とまだまだ少ない。受けられる人は受けようね。
生活保護の原資は国債が四分の3で税金が四分の一という仕組みだからだ。税金はあまり投入されてないといっていいだろう。
その税金だって国民の上位4%が60%ぐらい払ってるわけで、と大金持ちが納税してくれる金を底辺が受け取る富の再分配を積極的に受け取ってもいいと思う。
働かざるもの食うべからずなんていう人も居るが、それはソ連が昔、資本家に向けて言った言葉で底辺に言った言葉ではない。底辺は働かずに食っていっても別にいい。
生活保護を利用しないホームレスのケースとして他の場合は、ヤバいとこから金借りてて、住居を持つと取り立てがくるという人々、反社はチャラにしてくれないからな。
そして貧困ビジネスで寄ってくる業者にうんざりして援助の手を振り払ってしまうケース。
貧困ビジネスをやる彼らの大半はホームレスを生活保護にして人助けをしたいと考えているだろうが、おおでを振って派手にやっているのは悪質業者である。
こないだもニュースになっていたが、ホームレスが生活保護になろうとするとアパートなど借りられないので、とりあえず役所は無料低額宿泊所という環境のクソ悪いとこに押し込めてみて、
居宅生活が出来るかどうかまず見るというルートをとるのだが、その間、業者があれこれついてきて搾取しにくる。
そして就労支援という名の元にドブラックな土建とかに放り込み、成果報酬をさらにむしり取る。
職場がドブラックだからまた生活保護に戻ってくる人たちが多い。
そこからまた搾取、ブラックに就労させられる、業者は金を要求する、のループにハメこまれる。
そういうのにウンザリして路上に戻るホームレスも多いというわけだ。そうしてホームレスは人を信用しなくなり自活の道を選ぶ。それが実態だ。
結びに。
誰もが救急車を呼ぶ権利を持ち、適切かつ迅速な医療に繋がることが出来る権利を持っている。
誰もが突如アタマやカラダがイカれて転落する可能性を持っている。
そして最近は少なくなったとはいえ、ホームレスとして生きていかなければならない覚悟を決めなきゃいけない可能性がある。
そのすべての権利がこの貧しくなっていく日本の社会福祉制度の中で守られることを切に願うし、ホームレスの方々も救われて欲しい。
以上、俺の知っていること、願っていることのすべてだ。
よく分かったよ、ありがとう ちなみに、タイトルが切れてしまってるけど、投稿する時に「確認する」を押さず「この内容を登録する」をいきなり押すと、タイトル切れずに済むよ
弱男は「男のホームレスが多いから女は楽して生きてる!!」ってよくいってるけど実は「男はプライドの高さと真面目さゆえにホームレスになっており本人が望めば支援を受けられる...
その理論を認めると 「女は社会から抑圧を受けており〇〇を強いられている」ってのも、制度的にそうなっているわけじゃなくて望めば脱せるのに、プライドが邪魔してそうしない って...