2024-06-01

日本の生きづらさ(男女差別格差社会)は統計を歪曲する信仰のせい

もっと具体的に言えば、統計を「平均」のことだと思い込んで、「分散」を考慮に入れて議論することができないから。

 

分散とは

 個々のデータ平均値の差の2乗の平均のこと。分散が大きいとデータバラツキが大きい。

 

分散から何がわかるか

 分散平方根を「標準偏差」という。平均値を50とし、標準偏差10とするようにスケールし直したデータをおなじみ「偏差値」と呼ぶ。

 分布正規分布に近い場合、凡そ68%が偏差値40〜60の間に収まる。また95%が30〜70の間に収まる。

 

分散理解してない言論の例

 

【おまけ】そもそも平均を理解してない例

 

「みんないっしょ」信仰が癌である

 これは単に文系馬鹿というだけではない気がする。

 もともとの日本の「一億総中流」のような、多様性否定する信仰さらに「平均以外に意味はない」というバイアスを強めている可能性がある。

 日本人にはもともと「普通」を定義しその中に収まるという強い欲求があるために、たとえ義務教育統計の基礎を学んでいても、その中から「平均」という普通定義だけを学び、「分散」という多様性定義を学ばない心理的取捨選択があるということだ。

 増田自身、男女の能力差に関して「統計的に考えろ」とここに書いたら、「女は男より(平均で)下だと統計が言ってるんだ」と騒ぐやつばかりで話にならなかったことがある。

 統計的に言えば、「普通」と言うのは、例えば偏差値40〜60のように平均以上以下に幅を持って定義しなければ意味がない。平均の周囲どれだけに何%が収まるのかという分散の発想なしに「普通」は本来定義できない。

 

生活保護基準相対的貧困の連動

 「生活保護基準」と「相対的貧困ライン」は、それぞれ別の定義で、別の目的で作られた概念だが、結局は同じ層だよねってなることが学術的に知られている。

 https://cir.nii.ac.jp/crid/1390853651279758080

 相対的貧困ラインは「可処分所得手取り)」が中央値の半分を下回る水準であり、これは収入格差が大きいほど当然拡大する。

 欧州などは10%程度に抑えられているが、日本のように16%もの相対的貧困層がいる場合、「生活保護の本当に必要な人」は1000万人〜2000万人は見積もる必要があると統計理解していれば必ずわかるのだ。

 

まとめると

  • みんな一緒って共産主義そのものだもんな そりゃだめだって思う

    • 共産主義の話はしてない。日本人の普通信仰の話をしている。 共産主義の国は実際に「みんないっしょ」にする(それはそれで問題はある)。 日本は、統計的に全然そうではないのに「...

  • 普通は通常全体の70%(1σ)で定義されます ほとんどは通常全体の95%(2σ)で定義されます

    • 科学的にはそうだけど、それが政策とか社会的議論にはまったく反映されないのが日本の信仰の問題。

  • でも、男と同じだけ女が下方婚しないと男女平等は達成しないよね。

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