日本の銀行預金は、もはや「損失確定資産」である 約30年におよぶ「ゼロ金利政策」の大きなツケ

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アベノミクスによる「異次元の金融緩和」は大失敗だったという(写真:Komaer/PIXTA)
一般に「悪いインフレ」と呼ばれるコストアップ型のインフレが進行しつつある日本では、銀行預金は、もはや「損失確定資産」になっていると、なかのアセットマネジメント社長の中野晴啓氏は断言します。
ではなぜ、過去のインフレと異なり、今回のインフレでは金利を上げることができないのでしょうか。中野氏の著書『ほったらかし投資はやめなさい』(宝島社)から一部を抜粋・編集する形で、その理由を解説します。

インフレ時代の預金は「損失確定資産」

2014年7月に私が著書『預金バカ』(講談社)を上梓した頃、日本人の金融資産は極端なレベルまで現金・預金に偏重しており、株や投資信託などへの投資はまったく一般的ではありませんでした。

まさに預金が大全盛の時代だっただけに、アグレッシブなタイトルが大きな反響を巻き起こし、おかげさまで何度も増刷するヒットを遂げました。

それから10年以上が経過した今もなお、依然として個人の金融資産で現金・預金が占める割合が最も高いものの、2020年頃から株や投資信託などへの投資もジワジワと増えてきています。

本稿を執筆している時点でまだ2025年以降の情勢は明らかになっていませんが、昨年の年初から非課税枠などが拡充された新NISA(少額投資非課税制度)がスタートしたことが追い風となって、さらに拡大しているはずです。

(出所:『ほったらかし投資はやめなさい』(宝島社)より)

※外部配信先では図表を全部閲覧できない場合があります。その際は東洋経済オンライン内でお読みください

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