コンテンツにスキップ

香寿たつき

半保護されたページ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

こうじゅ たつき
香寿 たつき
生年月日 (1965-11-26) 1965年11月26日(58歳)
出生地 日本の旗 日本北海道札幌市
身長 168 cm
血液型 B型
職業 女優
ジャンル 舞台・テレビドラマ
活動期間 1986年 -
活動内容 1986年宝塚歌劇団入団、花組配属
1991年雪組に異動
1996年:花組に異動
1997年:雪組に異動
2000年専科に異動
2001年星組トップスター就任
2003年:宝塚歌劇団退団、以降舞台中心に活動。
2010年菊田一夫演劇賞受賞
公式サイト 香寿たつきオフィシャルサイトウェブアーカイブ
主な作品
舞台
エリザベート
プラハの春
WEST SIDE STORY
テレビドラマ
パパとムスメの7日間
備考
宝塚歌劇団卒業生
テンプレートを表示

香寿 たつき(こうじゅ たつき、1965年11月26日 - )は、日本女優。元宝塚歌劇団星組トップスター(トップ期間:2001年 - 2003年)。愛称は「タータン」(本名から)。北海道札幌市出身。

所属事務所は、ホリプロ・ブッキング・エージェンシー

略歴

生い立ち

札幌市にビブラフォン奏者・槙邦雄(まき くにお)の次女として出生する。槙は札幌放送管弦楽団専属、日本音楽家ユニオン道支部代表を歴任した。

小学生の頃からバレエを習っていた[1]。中学時代、宝塚ファンだったバレエ教室の友人に勧められて宝塚歌劇と出会う [1]。高校時代には東京のバレエ団へ勉強に行く資金のためにイベントなど多様なアルバイトを経験。イベントのアルバイトでは石原軍団に花束を贈呈したこともある[2]だが、身長が伸びすぎバレエを断念[要出典]。しかしダンス続行の意志は固く、宝塚音楽学校を受験、合格[1]。この時、紫吹淳と試験会場で知り合い、合格発表で抱き合って喜ぶ様子が雑誌で紹介された[3]

宝塚下級生時代

1986年72期生として宝塚歌劇団に入団。星組公演『レビュー交響楽』で初舞台。同期生に女優で元月組トップスターの紫吹淳、歌手の中条まり、現役では専科の五峰亜季がいる。同年花組に配属。香寿が組配属になったころの花組は「ダンスの花組」と呼ばれ、安寿ミラ真矢みきらが在籍していた。若手スターも同期の紫吹をはじめ、先輩の真琴つばさ愛華みれ、後輩の姿月あさと匠ひびき初風緑汐風幸伊織直加など後のスターぞろいだった。香寿は花組のダンスが好きで、後に雪組へ組替えになった際には花組を離れるのが辛かったと語っている[1]

1989年に同期の紫吹らと共にニューヨーク公演メンバーに選ばれるなど、早期よりダンサーとして頭角を現す。1989年「会議は踊る」新人公演でも安寿の役が付く。1990年に「ベルサイユのばら -フェルゼン編-」で新人公演初主演。同年の「秋…冬への前奏曲」ではカレル役を演じる。本人もこの役を気に入っており、長らく「おとめ」の好きだった配役欄に記載したほか、退団後のNHKのインタビューでベスト3にあげていた。

当初は宝塚に長くいるつもりはなく、1990年の「ベルサイユのばら -フェルゼンとマリー・アントワネット編-」東京公演を機に退団を考えていた[1] が、1991年雪組へ組替え。1992年の「この恋は雲の涯まで」と「忠臣蔵」の新人公演で主役を務める[1]。この際NHKスペシャル「夢の城〜タカラヅカ青春物語〜」で「忠臣蔵」新人公演に臨む香寿の姿がメインで紹介された。番組の中では、トップスター杜けあき退団後の2番手が未定であり、高嶺ふぶき海峡ひろき轟悠と香寿が2番手候補者であるとされた。さらに杜と香子小吹の入団7年目の序列が共に首席であることが紹介された。番組のラストでは「忠臣蔵」公演の結果を受けて、香寿が2番手候補者の先輩団員に並んだと評価を受けたとされた。1993年、「セ・ラムール」にてバウホール公演初主演。1994年、ロンドン公演に参加。若手スターとして順風満帆であった。

中堅〜2番手スター時代

しかし、1995年の「JFK」(フーヴァー長官役)、「あかねさす紫の花」(中臣鎌足役)では共に老け役の権力者を演じる。「脇役」が続いていたため、本人はスターとしての進退について悩み、慶應義塾大学の社会人入試を受験し合格するが、1996年、日本初演の「エリザベート」の皇太子ルドルフ役が決定し退団を思いとどまる。同年、古巣の花組に戻り、男役3番手として活躍。「ハウ・トゥー・サクシード」のブラッドが第1作となる。さらに「風と共に去りぬ」全国ツアー公演でアシュレを演じた後、再び雪組へ異動。

1997年雪組に男役2番手として復帰。花組から続演の「風と共に去りぬ」全国ツアーで、今度はスカーレットを演じて女役に挑戦。また、この時期にクライド役を演じたバウホール主演作「凍てついた明日」は自身の代表作となる。1999年、「ノバ・ボサ・ノバ」オーロ役を演じた。月組でも続演され、「芝居の月組」「歌唱力の雪組」と言われた。

2000年6月、専科へ異動[1]。専科生として参加した雪組公演「凱旋門」(宝塚公演のみ参加)でボリス役を、また「ゼンダ城の虜」ヘンツォ伯爵(月組公演/以上 2000年)や「花の業平」(2001年/星組公演)では悪役を演じた。「天翔ける風に」では外部出演の形で、女性役として主演した。一方、星組公演「ベルサイユのばら〜オスカルとアンドレ編〜」ではアンドレをつとめた。

トップスター時代

2001年10月、稔幸の後を継いで星組トップスターに就任[1]。コンビを組んだ渚あきとは、「この恋は雲の涯まで」新人公演と「セ・ラムール」でコンビを組んだことがあり、”初恋の成就”との声が寄せられたという[4]

トップお披露目公演となった東京宝塚劇場公演「花の業平」では、敵役から一転して主役の在原業平を演じた。大劇場お披露目公演の「プラハの春」では外交官堀江亮介を演じた。日中国交正常化30周年記念で行われた第2回中国公演では、ヒロイン役に檀れいを迎え主演を務めた。2003年、「ガラスの風景/バビロン」東京公演を最後に相手役の渚、男役スターの夢輝のあ朝澄けい鳴海じゅんらとともに宝塚歌劇団を退団。

女優として

退団後は「WEST SIDE STORY」や、「屋根の上のヴァイオリン弾き」、「モーツァルト!」、「エリザベート」などのミュージカルを中心に活躍する一方、テレビドラマにも出演している。

2010年4月、『天翔ける風に』の三条英、『シェルブールの雨傘』のエムリー夫人役の功績が認められ、第35回菊田一夫演劇賞・演劇賞を受賞した。

宝塚歌劇団時代の主な舞台

歌劇』2003年3月号 102-103ページ(阪急電鉄株式会社 コミュニケーション事業部)をもとに記述。

第1次花組時代

  • 『レビュー交響楽』(星組)(1986年3月-5月)*初舞台
  • 『遙かなる旅路の果てに』新人公演:マローニン刑事(本役:瀬川佳英)(1987年3月)
  • 『ロマノフの宝石』新人公演:ベルガー大尉(本役:朝香じゅん)(1989年7月)
  • 『宝塚をどり讃歌'89』/『フォーエバー!タカラヅカ』(ニューヨーク公演・ラジオ・シティ・ミュージック・ホール、1989年10月)
  • 『エル・アミーゴ』:シモン(宝塚バウホール、1990年2月)
  • ベルサイユのばら』新人公演:フェルゼン(本役:大浦みずき)(1990年4月)*新人公演初主演
  • 秋…冬への前奏曲』:カレル(1990年9月-10月)
  • 『春の風を君に…』:陳丁生(1991年1月-2月)
  • 小さな花がひらいた』:伝次(宝塚バウホール、1991年2月-3月)

第1次雪組時代

第2次花組時代

  • ハウ・トゥー・サクシード』:ブラッド(1996年6月-8月)
  • 『香港夜想曲』:ハワード(宝塚バウホール、1996年12月-1997年1月)
  • 『失われた楽園』レスリー・シュワルツ/『サザンクロス・レビュー』(1997年2月-3月)
  • 風と共に去りぬ』:アシュレ・ウィルクス(全国ツアー、1997年4月-5月)
  • 『ザッツ・レビュー』:源次(1997年8月-9月)
  • 『Kojuの森』

第2次雪組時代

専科時代

星組・星組トップ時代

  • 2001年8月-10月『ベルサイユのばらアンドレ・グランディエ
  • 2001年11月-2002年2月『花の業平』:在原業平/『サザンクロス・レビューII』*トップお披露目公演
  • 2002年4月-8月『プラハの春』:堀江亮介/『LUCKY STAR!』
  • 2002年9月-10月『蝶・恋』:雪若/『サザンクロス・レビュー・イン・チャイナ』(中国公演)
  • 2002年5月24日、6月23日 ディナーショー『静かなる革命 The Silent Revolution』
  • 2002年11月-2003年3月『ガラスの風景』:ジョーイ・バクスター/『バビロン-浮遊する摩天楼-』*退団公演

女優としての主な出演

舞台

テレビドラマ

テレビバラエティ

ラジオドラマ

  • サウンドミュージカル 雪色オルゴール(2019年1月2日、NHK-FM
  • 青春アドベンチャー 青髭の五番目のの花嫁 (2022年5月23日、NHK-FM)

脚注

  1. ^ a b c d e f g “タカラヅカスター列伝 香寿たつきさん(後編) ― 運命に導かれて”. Astand (朝日新聞デジタル). (2007年1月6日). http://astand.asahi.com/takarazuka/star/TKY200701040313.html 2015年3月20日閲覧。 
  2. ^ 「波瀾爆笑!我が人生」『宝塚GRAPH』2003年1月号より[要ページ番号]
  3. ^ 『歌劇』2003年3月号 「この温もりを胸に…(サヨナラ対談)」
  4. ^ 『BRUTUS』2001年11月1日号
  5. ^ “「CLUB SEVEN -ZERO-」全キャスト発表、原田優一×蘭乃はな×香寿たつき出演”. ステージナタリー. (2016年12月13日). https://natalie.mu/stage/news/213028 2016年12月14日閲覧。 
  6. ^ ステージナタリー編集部 (2017年11月6日). “新国立劇場に初登場の浅丘ルリ子「プライムになるのも初めて」”. ステージナタリー (ナターシャ). https://natalie.mu/stage/news/255615 2023年5月17日閲覧。 
  7. ^ ステージナタリー編集部 (2018年1月10日). ““ジャニーズ成人式”迎えたふぉ~ゆ~辰巳雄大、初の舞台単独主演に感慨”. ステージナタリー (ナターシャ). https://natalie.mu/stage/news/264649 2023年5月17日閲覧。 
  8. ^ ステージナタリー編集部 (2018年3月8日). “明日開幕「ラ・カージュ」鹿賀と見つめ合う市村「愛し合ってるんですから」”. ステージナタリー (ナターシャ). https://natalie.mu/stage/news/272732 2023年5月17日閲覧。 
  9. ^ ステージナタリー編集部 (2018年5月25日). “新生「モーツァルト!」に山崎育三郎が期待「雄大は今までにないヴォルフガング」”. ステージナタリー (ナターシャ). https://natalie.mu/stage/news/283754 2023年5月17日閲覧。 
  10. ^ ステージナタリー編集部 (2019年1月18日). “「ラブ・ネバー・ダイ」開幕に市村正親「最高のものをお届けできるように」”. ステージナタリー (ナターシャ). https://natalie.mu/stage/news/316487 2023年5月17日閲覧。 
  11. ^ ピカソとアインシュタイン〜星降る夜の奇跡〜”. 【公式】ホリプロステージ. 2023年5月17日閲覧。
  12. ^ ステージナタリー編集部 (2019年3月1日). “「エリザベート」ビジュアル公開、花總・愛希・井上・古川が扮装姿を披露”. ステージナタリー (ナターシャ). https://natalie.mu/stage/news/322142 2023年5月17日閲覧。 
  13. ^ ステージナタリー編集部 (2019年9月3日). “4姉妹が絆深める「Little Women」開幕、朝夏まなと「本気で生きられたら」”. ステージナタリー (ナターシャ). https://natalie.mu/stage/news/345962 2023年5月17日閲覧。 
  14. ^ 「ELF - The Musical/エルフ・ザ ミュージカル」オフィシャルホームページ”. 2023年5月17日閲覧。
  15. ^ ステージナタリー編集部 (2021年4月7日). “山崎育三郎&古川雄大が真新しい衣装で臨む「モーツァルト!」稽古場での話題は“筋肉””. ステージナタリー (ナターシャ). https://natalie.mu/stage/news/423505 2023年5月17日閲覧。 
  16. ^ ステージナタリー編集部 (2021年11月25日). “石丸幹二・安蘭けいらが立ち上げる“パラレルワールド”「蜘蛛女のキス」幕開け”. ステージナタリー (ナターシャ). https://natalie.mu/stage/news/454827 2023年5月17日閲覧。 
  17. ^ ステージナタリー編集部 (2022年3月8日). “熱量と変わらぬ愛届ける、鹿賀丈史&市村正親「ラ・カージュ・オ・フォール」幕開け”. ステージナタリー (ナターシャ). https://natalie.mu/stage/news/468527 2023年5月17日閲覧。 
  18. ^ ステージナタリー編集部 (2021年8月6日). “「CROSS ROAD」中川晃教が“音楽の悪魔”、相葉裕樹・水江建太がヴァイオリニストに”. ステージナタリー (ナターシャ). https://natalie.mu/stage/news/439799 2023年5月17日閲覧。 
  19. ^ ステージナタリー編集部 (2022年8月6日). “こまつ座「頭痛肩こり樋口一葉」開幕に貫地谷しほり「毎日背中を押されています」”. ステージナタリー (ナターシャ). https://natalie.mu/stage/news/488544 2023年5月17日閲覧。 
  20. ^ ステージナタリー編集部 (2022年10月9日). “花總まりがエリザベート役の集大成を見せる、ミュージカル「エリザベート」本日開幕”. ステージナタリー (ナターシャ). https://natalie.mu/stage/news/496887 2023年5月17日閲覧。 
  21. ^ ステージナタリー編集部 (2023年1月30日). “新ハーマイオニーは笹本玲奈、舞台「ハリー・ポッターと呪いの子」新キャスト5名発表”. ステージナタリー (ナターシャ). https://natalie.mu/stage/news/510810 2023年5月17日閲覧。 
  22. ^ 古川雄大・京本大我出演のミュージカル「モーツァルト!」真彩希帆がコンスタンツェに”. ステージナタリー. ナターシャ (2024年2月26日). 2024年2月26日閲覧。
  23. ^ 「ラブ・ネバー・ダイ」追加キャストに田代万里生・加藤和樹・星風まどか・小南満佑子ら”. ステージナタリー. ナターシャ (2024年7月18日). 2024年7月18日閲覧。
  24. ^ 宝塚歌劇の「忠臣蔵」が朗読劇に、杜けあき・紫とも・香寿たつきらOGたちが出演”. ステージナタリー. ナターシャ. 2024年10月11日閲覧。

外部リンク