私が四半世紀インターネットをROMしてきたなかでいくつもの炎上をみてきた。
インターネット上での活動に特化したHIKAKINが、いつかの動画で語ったように『炎上しないよう日頃から品行方正な行動をする』というのは確かに正しいが、これは中々実行できることではない。
すでに炎上してしまったあとは、復帰が比較的早く済む場合、長引く場合、復帰不可能になる場合のいずれかをたどる。
その中で早めに復帰したひとたちの火消し方法にはいくつかの共通点がある。
今回くるまは早い段階で容疑を認め、自らのYouTubeチャンネルで無駄のない事実説明と簡潔な謝罪をし、そこからすぐ活動休止に入った。なんと鮮やかな避難だろう。
お祭りびとたちが一番待ち望んでいるのは炎上者からの追い焚き、燃料投下だ。
主観での発言が特にそうなりやすい。言い訳、釈明、自己擁護……言い方はどうでもいいが、それらはお祭りびとからしたら格好のガソリンに他ならない。
もし、炎上の内容について弁明したいことがあるならば、それはすべてが落ち着いてから聞いてくれるひとたちに向けてだけ簡潔に話せばいい。
炎上者の気持ちを知りたいと望み、共感してくれるのはファンだけなのだ。
ファン以外が参戦している状況では何を言っても場を荒らすことになる。部外者が去るのを待ってから言葉を届けるのだ。
今回、Xやヤフコメといったお祭りびとが活動しやすい場ですら、目立っているのはくるまへの擁護コメントだ。
「自粛はやりすぎではないのか」「早い謝罪をしたのだからメディアはこれ以上騒ぐべきではない」「そもそも時効ではないか」
もしくるまが自粛するまでの期間に余計な燃料投下をしていたらこの状況にはなっていないだろう。
何ならすでに劇場ではこの件がネタになっているという。復帰を劇場という有料コンテンツからにするというなら、これは最良のお膳立てだろう。
恐ろしいのは、こういった火消し対応をくるま側がおそらく狙ってやっているということだ。
任意聴取の報が入る前々から、吉本芸人の一部に不穏な噂が飛び交っていた。
くるまは、自分にも任意聴取なりネットへのタレコミなりが遠からずあることは予想していただろう。
予想していたとしてもいざその状況になり、混乱やヘイトが自分に向かうなかでお手本のような火消し対応を実行できる胆力は見事としか言いようがない。
私は預言者ではないので確かなことは言えないが、来年の今頃、令和ロマンは当たり前のように劇場に出て、単独ライブを行い、ラジオで喋ってたまにテレビに出る、そんな炎上前と同じ状況に戻っているのではないかなと空想をしている。
誉め殺しみたいだね