米リサーチ・コンサルティング会社「Latitude」と非営利オンライン・マガジン「Sharable」が、2010年10月5日、「新しい「シェアリングエコノミー (共有型経済)」というタイトルの調査結果を発表しました。
シェアリングエコノミーとは?
「シェアリングエコノミー」とは欧米を中心に拡がりつつある新しい概念で、ソーシャルメディアの発達により可能になったモノ、お金、サービス等の交換・共有により成り立つ経済のしくみのことを指します。
代表的な企業の例としては米国ボストンで2000年に創業した世界最大のカーシェアリングサービス、「Zipcar」(ジップカー)などが挙げられます。
同社は、インターネット、スマートフォン等を利用して簡単に会員同士での車の貸し借りを可能にするサービスを提供しています。
既にアメリカ、カナダ、イギリス併せて4400の拠点で、9000台の車両を管理し、40万人以上の会員に利用されています。
その他にも子供用衣類、家庭用品、自転車等を共有させるサービス等も数多く存在しており、普段使わないもの、使わなくなったものを、ウェブサイトを通じて自分の友人・知人以外のネットワークの中で流通させることを可能にしている点が特徴です。(参照:『「所有」するなんてナンセンス! テクノロジーが加速する「共有」の時代』ソーシャライズ!2010/7/24)
調査結果が示す、これから成長する共有型ビジネスとは?
今回の調査はウェブ上でアンケートに答えた537人の回答を集計したもので、過去数年で話題になりつつあるシェアリングエコノミーの実態を明らかにし、将来の新しいビジネスの機会、ヒントを提供しています。
顕著なデータとしては、調査対象の67%の人が共有サービスを利用する理由として「節約」と同時に「社会・環境にいいから」という点を選んでいることが挙げられます。また、75%の人は、「将来5年の間に物理的なモノ、スペースの共有は増加する」と回答しています。背景としては、急速なソーシャルメディア、モバイル、リアルタイムウェブ等のテクノロジーの進化や、近年の世界的な不況等が指摘されています。
将来成長が予想されるアイテムとして、例えば以下のようなカテゴリーが具体的に挙げられています。
■移動手段(自動車、バイク・自転車、ボート)
■普段使わないもの(家庭用品、イベント関連器具、スポーツ関連グッズ)
■物理的なスペース(ガレージ、駐車スペース、オフィススペース、空室)
これらは、友人・知人同士で既にカジュアルに交換がなされているもの、或いは現在共有ニーズの高いものでありながらも、不特定多数の人が参加できる交換のためのプラットフォームが十分に存在していないものです。