以下の図の縦軸は潜在的な需要(latent demand)を指し、横軸は市場の飽和状態(market saturation)を示しています。潜在的な需要が高く、市場が未成熟な左上のボックス、つまり将来のビジネスチャンスといえる領域を見ると、自動車、家庭用品、住居スペースの他に、「時間や責任(time / responsibilities)」 や「お金の貸し借り(money - lending & borrowing)」というような項目が挙げられています。
スキルや専門的知識を時間単位で提供するサービスや、ソーシャルレンディングと呼ばれる、個人間のお金の貸し借りも、オンラインのプラットフォームを通じてより効率的に交換・流通することが可能になりつつあります。
一方、既にマーケットが成熟し、多くの人が共有サービスを利用している右上のボックスにはデジタルメディア(オンライン上の動画・音声・画像等様々なコンテンツ)や、物理的なメディア(書籍やDVD)等が含まれています。フェイスブック等のソーシャルネットワーキングサービス、或いはeBayのようなオークションサイトを介在し、既にマーケットが成熟している領域と言えるでしょう。
相次いて出版されている「共有型経済」に関しての良書
「時間、スペース、スキルのような眼に見えない資産の交換を可能にするマーケットプレイスはとても大きなものになると思う」と語るのは、9月に『What's Mine Is Yours:The Rise of Collaborative Consumption(私のものはあなたのもの~コラボラティブ消費の台頭)』(日本語版未訳)という書籍を出版したレイチェル・ボツマン氏です。
同書の紹介ムービーを見ると、著者が指摘する「コラボラティブ(協調的な)消費」の広がりが非常によく伝わってきます。