「HINOMARU」は明確に愛国ソング
「さぁいざゆかん 日出づる国の 御名の下に」などと歌う、RADWIMPSの新曲「HINOMARU」(野田洋次郎作詞・作曲)が「軍歌っぽい」として話題になっている。
軍歌云々はあとで触れるとして、この歌はなにより明確に愛国歌(愛国ソング)である。
まず、歌詞の内容を確認しよう。
この歌は、「あなた」と「僕ら」でなっている。
「あなた」とは、「御国」であり、「日出づる国」であり、「帰るべき」祖国であり、「守るべきもの」である。
これにたいし、「僕ら」とは、日の丸を仰ぎ見ると感情が高まる者たちであり、「気高きこの御国の御霊」を身体に宿す者たちであり、父母から歴史を受け継いだ者たちである。
そして「僕ら」は「さぁいざゆかん」と鼓舞され、「あなた」の「御名」の下に、どんな困難があろうと突き進んでいく。たとえ「僕ら」の身が滅んでも、「あなた」は永遠に栄えよと願いつつ――。
以下の部分に、この歌のエッセンスが凝縮されている。
たとえこの身が滅ぶとて 幾々千代に さぁ咲き誇れ
このような「あなた」(祖国)と「僕ら」(国民)の関係性は、典型的な愛国歌のそれである。
今年4月には、ゆずの「ガイコクジンノトモダチ」(北川悠仁作詞・作曲)が同じように「政治的な歌」として話題にのぼった(参照「ゆず新曲に『靖国・君が代』がいきなり登場、どう受け止めるべきか」)。
だが、その歌詞で登場するのは、あくまで個人である「僕」と、その外国人の友達である「君」であり、日本や国歌・国旗への愛も、随分と遠回りで間接的に示されているにすぎなかった。
それにくらべれば、「HINOMARU」の内容のなんと直接的でわかりやすいことか。この歌が明確に愛国歌だと述べたゆえんである。