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「take up with」 の意味は? 「take up」 の3つの用法から紐解く

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「take~up with」 「take up with~」 の意味は?

 

take up with とは?

映画『アポロ13』にこんな台詞がありました。

If they have a problem with that, they can take it up with my husband.

「そのことで問題があるなら、夫に相談すればいいわ」Apollo 13(1995)

Prime Videoで『アポロ13』(字幕版)を見る

 

take up は「相談する」と訳されます。どうして、そんな意味になるのでしょう?

 

take up の用法

ノーマルのソウ
take up の意味は多いが、まとめれば覚えやすい
困りのエイ
そう言って、いつも無理矢理少なくしてるよね…
目閉じのソウ
「無理矢理」じゃなく「できる限り」

take up は、take~up でも take up~ でもどちらでもOKな場合があります。目的語が代名詞など短い語の場合は、take と up の間にはさむことが多いですね。

ここでは簡単に、take up を大まかに3つに分類してみます。

 

  • take up:
    1. 「持ち上げる」
    2. 「始める」
    3. 「占める」

 

「持ち上げる」

これは、物理的に「何かを持ち上げて位置を動かす」こと。

いろいろなとらえ方ができ、たとえば水などを「吸い上げる」だったり、裾の高さなどを上げる( 短くする、たくし上げる)のも take up です。

「持ち上げる」の意味

  • 「持ち上げる」:
    1. 上に持ち上げる
    2. (水などを)吸い上げる
    3. (服の裾などの)丈を短くする
  • You'll need to get the landlord's permission before you take the old carpet up.
    (古いカーペットを剥がす前に家主の許可を得る必要がある)
  • Take these desks up to your room.
    (これらの机を部屋に持って行って)
  • This old sponge doesn't take much water up. It used to take up more.
    (この古いスポンジはあまり水を吸収しない。以前はもっと吸収していた)
  • This skirt is too long ― I’ll have to take it up.
    (このスカートは長すぎる。丈を短くしないといけない)

 

「始める」

よく用いるのが、「何かを新しく始めたり、再開する」の意味です。

仕事や何かの行為に「着手する」「始める」、問題や議論なら「取り掛かる」「取り上げる」といった訳がよいでしょう。

申し出・挑戦・意見などを受け入れてそれを「始める」のであれば、「始める」 「採用する」「応じる」などになります。目的語によって、日本語訳は臨機応変に。

「始める」の意味

  • 「始める」:
    1. (仕事などに)着手する
    2. (問題などを)取り上げる
    3. (申し出などに)応じる

 

「着手する」

  • I'm thinking of taking up tai chi.
    (太極拳を始めようと思っている)
  • I’m not very good at golf ― I only took it up recently.
    (ゴルフはあまり上手くない。最近始めたばかりだ)
  • Have you ever thought of taking up acting?
    (演技を始めようと思ったことはありますか?)
  • Patti took up the story where Sue had left off.
    (パティはスーが中断したところから話を続けた)

 

「取り上げる」

  • Now the papers have taken up the story.
    (今や新聞がその話を取り上げている)
  • I'd like to take up the point you raised earlier.
    (先ほどあなたが挙げた点を取り上げたい)

 

「応じる」

「take up+物事」は「(物事に)応じる」。「take 人 up on~」のように、take の後に「人」が来ると、「~について(人に)応じる」

  • I'm happy to take him up on his challenge.
    (彼の挑戦に喜んで応じる)
  • Rick took up the challenge and cycled the 250-mile route alone.
    (リックはその挑戦に応じて250マイルのルートを一人で自転車で走った)
  • Rob took up the invitation to visit.
    (ロブは訪問の招待に応じた)

 

怒りのエイ
「取り上げる」や「応じる」まで一緒くたにするのは、無理があり過ぎなんじゃない?
横目のソウ
どれも何かに「着手する」と考えられるだろう

 

「占める」

take は「~を取る」なので、take up は「何かを取り尽くす」 「占める」。場所・時間などを「占める、使い尽くす」です。この場合の with は「~で」を表します。

with が付くと通常受身形ですが、普通の文に直せば、「take up+物事・人 with~」となり、「(物事・人を)~で占める」。

take up a/one's position もよくあるフレーズで、「そのポジションにつく」こと。

「占める」の意味

  • 「占める」:
    1. 「物事・人を」~で占める  take up+「物事・人」with~
       ※ 受身形で使われることが多い
  • Getting his business started has taken up all his time.
    (彼は事業を始めることに全ての時間を使った)
  • Most of the garage space is taken up with his music kit.
    (ガレージのスペースのほとんどは彼の音楽キットで占められている)
  • Too much of this report is taken up with out-of-date numbers.
    (このレポートの大部分は古い数字で占められている)
  • The runners are taking up their positions on the starting line.
    (ランナーたちはスタートラインに並んで位置についている)
  • I took up a position in a university library after a career break.
    (一時休暇の後、大学図書館での職についた)

 

「人」が主語の受身形

「人が何かで占められる」とは、「その人の興味や時間が何かに占められる」ことです。人+be taken up with~「~に没頭する」「~に夢中になる」

 

  • 「人」be taken up with:
    1. 「~に没頭する」「~に夢中になる」
  • In high school I became completely taken up with Victorian literature.
    (高校の時にビクトリア朝文学に夢中になった)
  • Bryce is taken up with baking these days.
    (ブライスは最近お菓子作りに没頭している)

 

take up with の用法

上で述べたように、take up が「占める」の意味の時は、with があるとたいてい受身形で使われます。

逆に言うと、「占める」の意味でない時は、受身形にせず、普通に take up with~ でいいわけです。

ノーマルのソウ
能動態の take up with は、「始める」の意味で考えればいい
困りのエイ
with があっても、意味が違うんだ

 

take~up with「人」 の場合

「占める」の意味でなく、上で挙げた「始める」の意味でも with が付くことがあります。その場合の with は、何を示すのでしょう。

take~up は「(問題や議論)を始める」。これに with が付くと、「~と一緒に(問題や議論)を始める」 です。

with の後は「人」で、「物事」は来ません。

take~up with 人(または take up~with 人)で「~を人と一緒に始める、取り掛かる」 「~を人と相談する」

目的語の「~を」は、ざっくりとその状況を示して、あえて言う必要がない場合には、take it up with と it で簡単に済ませることもしばしばです。

最初に挙げた『アポロ13』の台詞でも、目的語は it ですね。

 

  • take~up with 人:
    1. 「~を人と相談する」
  • The school plans to take the matter up with the parents.
    (学校側は保護者らとその件について話し合う予定だ)
  • If you have a problem, you should take it up with the manager.
    (問題があればマネージャーに相談してください)
  • I am still very angry and will be taking it up with the authorities.
    (まだ非常に怒っていて当局に訴えるつもりだ)
  • We'll take up the issue with the directors at the next board meeting.
    (次回の取締役会でこの問題を取締役たちと話し合う予定だ)

take it up withのイメージ

 

take up with「人」の場合

こちらはと言うと、目的語の「~を」がありません。間に目的語をはさまない take up with~ というイディムです。

with の後ろに付くのは「人」です。with だけがあるため、訳としては「~と一緒に始める」。

「人と一緒に始める」を「人との関係を始める」と読み替えましょう。すなわち、「人と親しくなる」「人と付き合い始める」

特に、悪い影響を与えるような人と親しくなる場合に使われます。

 

  • take up with 人:
    1. 「人と付き合い始める」
  • She’s recently taken up with a strange group of people.
    (彼女は最近奇妙なグループの人々と付き合っている)
  • Sarah has taken up with a much older man, and it makes me really uncomfortable.
    (サラはかなり年上の男性と付き合い始め、私は本当に不安だ)
  • She took up with a fast crowd.
    (彼女は不良仲間に加わった)
  • I did not want Lefty to take up with Max.
    (レフティにマックスと付き合って欲しくなかった)

 

まとめ

目閉じのソウ
まとめると、take up with の用法は3パターンある
困りのエイ
これも3パターンとか
  • take up with:
    • 「~で占められる」「~に夢中になる」
        主に、be taken up with の形で
    • 「人と~を相談する」
        take~up with 人 の形で
    • 「人と付き合い始める」
        take up with 人 の形で

 

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(引用・参照元: Oxford Learner's Dictionaries, The Free Dictionary, Cambridge Dictionary, LDOCE)