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take up with とは?
映画『アポロ13』にこんな台詞がありました。
If they have a problem with that, they can take it up with my husband.
「そのことで問題があるなら、夫に相談すればいいわ」Apollo 13(1995)
take up は「相談する」と訳されます。どうして、そんな意味になるのでしょう?
take up の用法
take up は、take~up でも take up~ でもどちらでもOKな場合があります。目的語が代名詞など短い語の場合は、take と up の間にはさむことが多いですね。
ここでは簡単に、take up を大まかに3つに分類してみます。
- take up:
- 「持ち上げる」
- 「始める」
- 「占める」
「持ち上げる」
これは、物理的に「何かを持ち上げて位置を動かす」こと。
いろいろなとらえ方ができ、たとえば水などを「吸い上げる」だったり、裾の高さなどを上げる( 短くする、たくし上げる)のも take up です。
- 「持ち上げる」:
- 上に持ち上げる
- (水などを)吸い上げる
- (服の裾などの)丈を短くする
- You'll need to get the landlord's permission before you take the old carpet up.
(古いカーペットを剥がす前に家主の許可を得る必要がある) - Take these desks up to your room.
(これらの机を部屋に持って行って) - This old sponge doesn't take much water up. It used to take up more.
(この古いスポンジはあまり水を吸収しない。以前はもっと吸収していた) - This skirt is too long ― I’ll have to take it up.
(このスカートは長すぎる。丈を短くしないといけない)
「始める」
よく用いるのが、「何かを新しく始めたり、再開する」の意味です。
仕事や何かの行為に「着手する」「始める」、問題や議論なら「取り掛かる」「取り上げる」といった訳がよいでしょう。
申し出・挑戦・意見などを受け入れてそれを「始める」のであれば、「始める」 「採用する」「応じる」などになります。目的語によって、日本語訳は臨機応変に。
- 「始める」:
- (仕事などに)着手する
- (問題などを)取り上げる
- (申し出などに)応じる
「着手する」
- I'm thinking of taking up tai chi.
(太極拳を始めようと思っている) - I’m not very good at golf ― I only took it up recently.
(ゴルフはあまり上手くない。最近始めたばかりだ) - Have you ever thought of taking up acting?
(演技を始めようと思ったことはありますか?) - Patti took up the story where Sue had left off.
(パティはスーが中断したところから話を続けた)
「取り上げる」
- Now the papers have taken up the story.
(今や新聞がその話を取り上げている) - I'd like to take up the point you raised earlier.
(先ほどあなたが挙げた点を取り上げたい)
「応じる」
「take up+物事」は「(物事に)応じる」。「take 人 up on~」のように、take の後に「人」が来ると、「~について(人に)応じる」。
- I'm happy to take him up on his challenge.
(彼の挑戦に喜んで応じる) - Rick took up the challenge and cycled the 250-mile route alone.
(リックはその挑戦に応じて250マイルのルートを一人で自転車で走った) - Rob took up the invitation to visit.
(ロブは訪問の招待に応じた)
「占める」
take は「~を取る」なので、take up は「何かを取り尽くす」 「占める」。場所・時間などを「占める、使い尽くす」です。この場合の with は「~で」を表します。
with が付くと通常受身形ですが、普通の文に直せば、「take up+物事・人 with~」となり、「(物事・人を)~で占める」。
take up a/one's position もよくあるフレーズで、「そのポジションにつく」こと。
- 「占める」:
- 「物事・人を」~で占める take up+「物事・人」with~
※ 受身形で使われることが多い
- 「物事・人を」~で占める take up+「物事・人」with~
- Getting his business started has taken up all his time.
(彼は事業を始めることに全ての時間を使った) - Most of the garage space is taken up with his music kit.
(ガレージのスペースのほとんどは彼の音楽キットで占められている) - Too much of this report is taken up with out-of-date numbers.
(このレポートの大部分は古い数字で占められている) - The runners are taking up their positions on the starting line.
(ランナーたちはスタートラインに並んで位置についている) - I took up a position in a university library after a career break.
(一時休暇の後、大学図書館での職についた)
「人」が主語の受身形
「人が何かで占められる」とは、「その人の興味や時間が何かに占められる」ことです。人+be taken up with~ で「~に没頭する」「~に夢中になる」。
- 「人」be taken up with:
- 「~に没頭する」「~に夢中になる」
- In high school I became completely taken up with Victorian literature.
(高校の時にビクトリア朝文学に夢中になった) - Bryce is taken up with baking these days.
(ブライスは最近お菓子作りに没頭している)
take up with の用法
上で述べたように、take up が「占める」の意味の時は、with があるとたいてい受身形で使われます。
逆に言うと、「占める」の意味でない時は、受身形にせず、普通に take up with~ でいいわけです。
take~up with「人」 の場合
「占める」の意味でなく、上で挙げた「始める」の意味でも with が付くことがあります。その場合の with は、何を示すのでしょう。
take~up は「(問題や議論)を始める」。これに with が付くと、「~と一緒に(問題や議論)を始める」 です。
with の後は「人」で、「物事」は来ません。
take~up with 人(または take up~with 人)で「~を人と一緒に始める、取り掛かる」 「~を人と相談する」。
目的語の「~を」は、ざっくりとその状況を示して、あえて言う必要がない場合には、take it up with と it で簡単に済ませることもしばしばです。
最初に挙げた『アポロ13』の台詞でも、目的語は it ですね。
- take~up with 人:
- 「~を人と相談する」
- The school plans to take the matter up with the parents.
(学校側は保護者らとその件について話し合う予定だ) - If you have a problem, you should take it up with the manager.
(問題があればマネージャーに相談してください) - I am still very angry and will be taking it up with the authorities.
(まだ非常に怒っていて当局に訴えるつもりだ) - We'll take up the issue with the directors at the next board meeting.
(次回の取締役会でこの問題を取締役たちと話し合う予定だ)
take up with「人」の場合
こちらはと言うと、目的語の「~を」がありません。間に目的語をはさまない take up with~ というイディムです。
with の後ろに付くのは「人」です。with だけがあるため、訳としては「~と一緒に始める」。
「人と一緒に始める」を「人との関係を始める」と読み替えましょう。すなわち、「人と親しくなる」「人と付き合い始める」。
特に、悪い影響を与えるような人と親しくなる場合に使われます。
- take up with 人:
- 「人と付き合い始める」
- She’s recently taken up with a strange group of people.
(彼女は最近奇妙なグループの人々と付き合っている) - Sarah has taken up with a much older man, and it makes me really uncomfortable.
(サラはかなり年上の男性と付き合い始め、私は本当に不安だ) - She took up with a fast crowd.
(彼女は不良仲間に加わった) - I did not want Lefty to take up with Max.
(レフティにマックスと付き合って欲しくなかった)
まとめ
- take up with:
- 「~で占められる」「~に夢中になる」
主に、be taken up with の形で - 「人と~を相談する」
take~up with 人 の形で - 「人と付き合い始める」
take up with 人 の形で
- 「~で占められる」「~に夢中になる」
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少しでも理解の助けになれたら幸いです。お読みいただき、ありがとうございました。
(引用・参照元: Oxford Learner's Dictionaries, The Free Dictionary, Cambridge Dictionary, LDOCE)