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go back と way
go way back は、簡単そうなのになんだかよく分からないフレーズです。一体どういう意味なんでしょう?
go back は「戻る」という意味がすぐ思い浮かぶけれど、そもそもそれでいいんでしょうか。この辺りにヒントがありそうなので、もう一度 go back から考えてみます。
go back の用法
go back の用法は、主に3つです。
- go back:
- 「戻る」
- 「(特定の時間から)ずっと存在する」
- 「(お互いをある期間にわたって)ずっと知っている」
「戻る」
go back to+「場所」なら、「(その場所)に戻る」、go back to+「事柄」なら、「(その事柄)に立ち返る」。
「戻る」と一口にいっても、空間的に特定の「場所」に戻ったり、特定の「状態・状況」に戻ったり、もう一度立ち返って考えたり、意味はさまざまです。
また、「人」だけでなく「物事」を主語にすることもできます。物が自発的に戻ることは普通無理なので、その場合は「(物事が)戻される」。
- 「戻る」の場合:
- 「(人が~に)戻る」
- 「(物事が~に)戻される」
「人」が主語
to の後には、名詞の他、動名詞・名詞節などを続けてもOK。
- She doesn't want to go back to her husband.
(彼女は夫のもとには戻りたくない) - Can I go back to what you said at the beginning of the meeting?
(ミーティングの初めにあなたが話したことに立ち返っていいですか?) - I turned off my alarm and went back to sleep.
(目覚ましを止めて眠りに戻った) - After looking around, he went back to eating.
(彼は辺りを見回した後、食事に戻った)
「物事」が主語
- When are these library books supposed to go back?
(これらの図書館の本はいつ返却される予定ですか?) - That TV will have to go back to the shop.
(あのテレビは店に返品しなければならない) - That book needs to go back to the library.
(その本は図書館に返す必要がある) - Once you have made this decision, there will be no going back.
(一度決断したら、もう後戻りはできない)
「ずっと存在する」
これは「ルーツを辿ると、そこまでさかのぼる」 「過去のある時点以降、ずっとある」こと。たいてい to が付きます。
- Their family goes back to the time of the Pilgrim Fathers.
(彼らの一族はピルグリム・ファーザーズの時代からある) - This house goes back to the 1800s.
(この家は1800年代からある) - That idea goes back to Thomas Aquinas.
(その考えはトマス・アクィナスにまでさかのぼる) - It’s a tradition that goes back at least 100 years.
(少なくとも100年前にさかのぼる伝統だ)
「ずっと知っている」
2人以上の人が「ずっと存在する」ことから意味が広がって、「ある期間ずっとお互いを知っている」 「昔からの知り合いだ」「古い友人だ」。
to に代わって、期間を表す語が続くことが多いです。
- We're old friends. we go back at least 20 years.
(私たちは古い友人だ。少なくとも20年来だ) - Those two go back 50 years.
(あの2人は50年来の友人だ) - Peter and I go back 25 years.
(ピーターと私は25年来の知り合いだ)
way の用法
go way back の用法 (1)
では、改めて go way back について。この way は「はるかに」「ずっと」といった強調の副詞です。go back の意味はと言うと、「ずっと知っている」。
なので、go way back は「昔からの知り合い(友人)だ」「古い付き合いだ」。これはアメリカ英語の表現で、イギリス英語だと go back a long way。
どちらにして、way は時間や距離が長いことを強調する表現なので、なくても意味は大差ありません。
- go way back ( ):
- 「昔からの知り合いだ」
- Caitlin and I go way back. We've been friends since kindergarten, in fact.
(ケイトリンと私は昔からの友人だ。幼稚園の頃からの友達だ) - Who said that Rosemary and I go way back?
(ローズマリーと私が昔からの知り合いだなんて誰が言ったの?) - We go back a long way, and she's always kept in touch.
(私たちは長い付き合いで、彼女とはいつも連絡を取り合っている) - We go back a long way as we were at college together.
(私たちは大学時代からずっと一緒だったので長い付き合いだ)
ところで、上の2つめの例文は、動詞が said と過去形なのに、go は現在形のままです。「時制の一致」になってませんね。なぜでしょう?
「時制の一致」は絶対的なルールではなく、普遍的な事実や現在も続いている事実の場合、現在形を維持することが多いです。
例文では、現在まで続いている事実として言っているため、現在形を使ってます。
以下の go way back のフレーズは、映画『ロマンシング・ストーン 秘宝の谷』より。スーツ姿でないマイケル・ダグラスがとても新鮮。
Cartagena cops and I go way back.
「カルタヘナの警官と俺は、昔からの知り合いなんだ」Romancing the Stone(1984)
Prime Videoで『ロマンシング・ストーン 秘宝の谷』(字幕版)を見る
way back の用法
way back は、「はるか昔に」という副詞的な用法と、「以前の場所や状況に戻る道」という名詞的な用法を持つイディオムです。
- way back:
- 「はるか昔に」 副詞句
- 「(もとの場所や状況に)戻る道」 名詞句
「はるか昔に」
- I first met him way back in the 80s.
(80年代のはるか昔に彼に初めて会った) - Way back, when he was a boy, he had lived on a farm in Wales.
(はるか昔、少年時代に彼はウェールズの農場に住んでいた) - It happened way back when I was at college.
(それは昔大学に通っていた頃に起こった)
「戻る道」
- I got lost in the woods and couldn't find the way back.
(私は森の中で道に迷い、戻る道を見つけられなかった) - We were delayed on the way back to the airport.
(空港へ戻る途中で遅れた) - The charity offers people coming out of prison a way back into society.
(その慈善団体は刑務所から出てきた人々に社会復帰の道を提供している) - There's no way back once you have started the process.
(いったんプロセスを開始すると、後戻りはできない)
ということは、go way back は「昔からの知り合い」の意味の他、別の訳し方もあるわけです。
go way back の用法 (2)
- go way back ( ):
- 「はるか昔にさかのぼる」
- This issue is hardly new. It goes way back to when the company was first founded.
(この問題は新しいものではない。会社が設立されたはるか当初にさかのぼる) - The rivalry between the two teams goes way back.
(2つのチーム間のライバル関係はずっと昔にさかのぼる) - If this corruption goes way back, we're finished as a business.
(この腐敗がはるか昔にさかのぼれば、私たちのビジネスは終わる) - A silent movie? Well, this must go way back then.
(無声映画? まあ、これはかなり昔に違いない)
問題は、「昔からの知り合い」の意味とどう区別すればいいのか、ですね。だいたい主語が「人」かどうかで判断できるかと思います。
go back on の用法
最後に、go back に on が付いた言い方を挙げておきます。go back on はイディオムで、「(約束)を破る」「(言ったこと)を守らない」。
由来については不明でした。ただ、turn back on は「誰かに背を向けて連絡が取れなくなる」ことを示すそう。
この back はもしかしたら、「戻って」ではなく「後ろ側に」のニュアンスなのかも。go back on も「誰かに背を向けて行く」ことかもしれません。
よく one's word と一緒に、go back on one's word(約束を守らない)のように使われます。
- go back on:
- 「(約束)を破る」「(言ったこと)を守らない」
- She's gone back on her word and decided not to give me the job after all.
(彼女は約束を反故にして、結局私に仕事を与えないことにした) - He never goes back on his word.
(彼は決して約束を破ることはない) - The government looks likely to go back on its decision to close the mines.
(政府は鉱山閉鎖の決定を撤回しそうだ) - People are beginning to worry that the president is going to go back on his campaign promises.
(人々は大統領が選挙公約を撤回するのではないかと心配し始めている)
まとめ
way は「道」「方法」といった名詞の他に、「はるかに」「ずっと」という副詞があるのがポイントですね。
英語力アップに音読練習を
テキストを見ながら、英語を普通のスピードで音読するのは、結構難しいです。思ったよりも口が回らなくて、なかなか付いていけません。
音読練習は、聴く力と発話力を高めるお口の体操。英語を頭で即座に処理するために効果的な方法なので、学習に取り入れてみてください。
少しでも理解の助けになれたら幸いです。お読みいただき、ありがとうございました。
(引用・参照元: IMDb, Oxford Learner's Dictionaries, The Free Dictionary, Cambridge Dictionary, LDOCE, The Idioms)