富裕層ビジネスを考えていく際、日本国内だけでなく、広くグローバルにも視野を拡げていくことは多くの経営者にとっても必要なことである。今回は、世界中から富裕層や投資家が集まる国として数年前から多くの話題を提供してきた中東地域のドバイを取り上げてみようと思う。 リーマンショック後 急速に勢いを失ったドバイ 昨年11月末、ドバイ関連のニュースが再び世界を駆け巡った。ドバイとは、UAE(アラブ首長国連邦)を構成する7つの首長国(首都はアブダビ)の1つであるが、そのドバイの政府系持ち株会社であるドバイ・ワールドが12月14日に償還期限の迫っている約35億ドルの債権(イスラム債)の支払い猶予を債権者に要請したというのである。 ドバイ・ワールドの債権の大半は、このドバイ・ワールドが持ち株会社として持つ約20社のうちの1社で、大手不動産開発会社のナキール社のものであるが、この35億ドルの債権以外にも、ドバイ
金融危機で湾岸諸国の株価も急落。原油価格下落が追い打ちをかけた。 「安全地帯」との評価は一転し、急成長と大盤振る舞いは見直しの時期に。 負債依存型開発のドバイにバブル崩壊の懸念。野心の縮小は必至だ。 アラブ首長国連邦(UAE)の中核で、石油資源の豊かなアブダビ首長国。その高官がムハンマド・ビン・ザーイド・アール・ナヒヤーン皇太子の下に集まり、世界的な金融混乱への対策を協議したのは10月11日土曜日の夕刻だ。 彼らは数週間、ウォール街に端を発した危機が米国の金融業界を悲惨な状況に陥れ、その影響が世界に広がる様を見守ってきた。石油収入のおかげで流動性の潤沢なUAEなどの湾岸諸国は、世界を吹き荒れる金融の嵐の影響は受けないとの当初の見立ては、日増しに疑わしくなっていた。 今回の危機によって破綻したUAEの金融機関はない。だが金融市場からは2000億UAEディルハム(約540億ドル)もの海外資
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く