ドイツ自動車産業で人員整理が始まった。OEM(自動車メーカー)と大手サプライヤー(部品メーカー)は昨年、当面の人員整理計画を発表したが、最大手のボッシュでは「5500人削減」の予定がすでに従業員数は1万人以上減った。昨年秋までに発表された各社の人員削減計画の合計はドイツ全体で約5万人。この数字は「ことし10万人以上になる」と言われている。あのドイツがなぜ、こうなってしまったのか……。 TEXT & PHOTO:牧野茂雄(MAKINO Shigeo) ドイツ自動車産業の苦境の原因は中国 ドイツOEMが発表した2024年決算(年間)から営業利益の前年比増減を見ると、VW(フォルクスワーゲン)グループ全体で15%減、そのなかでアウディは38%減、ポルシェは23%減、BMWは35%減である。メルセデス・ベンツは最終利益が28%減。どこも厳しい。 OEMの営業利益とは、本業である自動車の生産・販売に