2016年8月、すさまじいドキュメンタリーがNHKで放送された。 文明社会と接触したことがない「原初の人々」が、いまだにアマゾン川の奥地にいる。アマゾン源流域、ブラジルとペルーの国境地帯にいるという彼らは、部族名も言語も人数もわからない。「隔絶された人々」という意味の「イゾラド」と呼ばれる謎の先住民族である。 撮影当時、そのイゾラドの目撃情報が相次いでいた。森に猟に入った若者が弓矢で腹を射抜かれた。川辺で遊んでいた少女の足元に数本の矢が飛んできた。イゾラドの集団にとり囲まれた村からSOSが発信された……。なぜ彼らは突如として、文明社会の領域に姿を現すようになったのか。 衝撃とともに放送された「NHKスペシャル 大アマゾン 最後の秘境」の第4集「最後のイゾラド 森の果て 未知の人々」は、「ヤノマミ」などの作品で知られる国分拓ディレクターの手による大型企画だ。 国分氏たちスタッフは、ペルー政府