次にとう道について状況を整理する。NTT東西が保有するとう道の総延長は651km。多くはシールド工法で掘削した地下鉄などと同様のトンネルだ(写真1)。「ここ10年くらいは新設していない」(NTT東日本の櫻田基盤設備担当部長兼環境デザイン室長)という。 土木設備としては、自動車道や鉄道のトンネルと同様の老朽化があり得る。だが、「規模が小さいなど交通インフラとは状況が異なる」(NTT東日本の櫻田基盤設備担当部長兼環境デザイン室長)という(図1)。 まず、環境が変化しにくい点が挙げられる。交通量が急激に増えることもないし、排気ガスの影響も受けない。地面に埋められた構造物なので、外側から劣化が進む恐れも少ない。