地球温暖化が今のペースで進むと、日本周辺での台風の移動速度が今世紀末には現在より1割程度遅くなるとの予測を、気象庁気象研究所など日中韓の研究チームが8日、英科学誌ネイチャー・コミュニケーションズに発表した。台風が減速することによって暴風雨に見舞われる時間が長くなり、洪水や土砂災害などの被害が拡大する可能性がある。 国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)などによると、効果的な温室効果ガス削減策が取られなかった場合、今世紀末には産業革命前から4度程度上昇すると予測されている。 チームは、スーパーコンピューターを使ったシミュレーションで、現在の気候(1951~2010年)と4度上昇した場合の、台風の移動速度を比較。その結果、熱帯や亜熱帯では現在の移動速度とほとんど変わらなかったが、中緯度帯では現在より速度が約10%遅くなった。東京などを含む北緯35~40度では、現在は平均速度が時速35・