日本最北端の稚内駅からJR宗谷本線の普通列車に揺られること17分。雪原と化した原野の真ん中に佇む、抜海駅(北海道稚内市)が見えてくる。 同駅に来たのは約2年ぶり。前回訪問した時の様子は、別の記事で紹介しているが、当時は駅舎の向かいのホームも上り列車用に使用していたのに、駅廃止よりひと足早い24年4月に使用停止を発表。そのため、向かい側のホームはまったく除雪されていなかった。 抜海駅はバスも通っておらず、車以外のアクセスは上下線合わせて1日わずか7本の列車だけ。しかも、このうち日中に滞在可能なのは、10時45分着の名寄行きで下車し、11時48分発の稚内行き普通列車が出発するまでの約1時間滞在する以外の選択肢がない。 数ある秘境駅の中でもアクセス難易度はトップレベル。にもかかわらず、筆者が訪問した日には、同じ列車で下車した者、レンタカーなど車で来た鉄道ファンを合わせると、10人以上が訪れていた