2025-02-22

明滅

「よく捕れた。今月はこれで終わりにしよう」

正午前、仕事部屋となっている2LDKリビング主任の声が響く。

検挙数は今季もAカテゴリだな。おつかれさん。飯行くか」

身持ちの似た5人の男性従業員ダイヤル式の金庫にUMPCを戻していく。


セクシー女優着エロ時代遡り取締法、着取法が諸外国圧力により施行されて数年。

突如違法となった無数のセクシー女優着エロ時代動画の削除、

視聴の検挙民間事業者委託され、夜の旅人たちを奈落の底に引きずり込んでいる。

しかし抜け穴をかいくぐる再アップは後を絶たず、IT崩れやギグワーカー、多様な人材がより良い待遇を求め集散している。


前菜フルーツトマトジュレ入りスープ瀟洒な店と料理に似つかわしくない野郎ものランチ

「こないだの奴さ、モニターハックして現行犯って言ってやったらさ、半泣きで見てませんとか言うのよ。で、ログをツラツラ見せたらよ、

下向いて泣いてやんの」

「そう言えば、あれ紛らわしくない?セクシー女優じゃないアイドル着エロ時代ってOKでさ、ハメ撮りが出回ってる地下アイドル

着エロ本部確認したらOKらしいんだよ」

好成績の為、会話も自ずと弾む。

ボーンビステッカの余韻を楽みながらグラッパを傾けていると、

料理には、前菜があってメインがある。だからこそ豊かなんだ。あんたがたのやっている事は、豊かさの略奪だ」

遠くからしかし聞こえるようにシェフが言った。


店を出る。Aカテゴリ事業所には、特別休暇が付与される。

「あー草津にでも行こうかな」

バイク乗りの同僚が言ったその時

「豚が!!」

重い音を立てて主任が倒れ込む。

「豚が!!自由をむさぼる豚が!!」

暴漢は走り去る。再アップに加え、着取法反対派の抵抗過激になっている。

主任!」

手で押さえられた腹部から血が噴き出す。

「ああいうな…信じて疑わない理念の為に、とんでもない事をしでかすのは、誰にでもあるんだ…」

呻きながら主任は続ける。

「今度は、熟女アナルものらしい」

熟女の、アナルもの…」

取締まり範囲が広がるとは聞いていた。

「そうなれば、俺のデスクの一番下の引出しのコレクションも、立派な検挙対象って訳だ…」


救急車サイレンを遠くに聞く。

水面を揺蕩うような正しさの上を歩き、別れすら告げずに落伍していく世界が、ビル風を受けた蒸気に霞み明滅する。

  • ワイも熟女のアナル物AV好きやけどワイが好きなタイプの熟女は言うほど熟女じゃない疑惑があるんよなぁ。

    • 熟女とぽっちゃりは人によってライン違うから難しいとこやなあ

  • セクシー女優の着エロ時代遡り取締法 どんな法律やねん

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