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米中小企業庁の融資に不正発覚 幼児や115歳以上の高齢者に巨額融資=DOGE

2025/03/10
更新: 2025/03/10

政府効率化省(DOGE)は3月8日、中小企業庁がコロナ感染拡大期の2020年と2021年に、不正な社会保障番号を使用し、11歳以下の子供や超高齢者に対し計8688件、総額6億4500万ドル(約958億円)の融資を実行していた可能性が高いと発表した。

DOGEの投稿によると、中小企業庁は11歳以下の子供を所有者として登録した事業に対し、5593件、計3億1200万ドル(約468億円)の融資を実行していた。このようなケースが合法である可能性は理論上ではありうるが、すべての申請に不正な社会保障番号を使用していたことから、不正行為が疑われる。

また、115歳以上の超高齢者に対しても3095件、計3億3300万ドル(約500億円)の融資が行われていた。これらの人物は社会保障局のデータ上では「生存」とされていたが、その中には157歳と記録された人物も含まれており、給与保護プログラム(PPP)や経済被害災害融資(EIDL)を受けていたという。

DOGEの発表は、イーロン・マスク氏によって拡散され、大きな注目を集めた。現在、DOGEと中小企業庁が合同で調査を進めているが、中小企業庁は3月9日までにコメントはしていない。

政府支出の見直し進む、農務省の契約も取り消し

DOGEは同日、農務省が「不要な契約の特定」を目的とした1030万ドル(約15億円)の契約を取り消したと発表した。この契約は、政府の支出削減策の一環として見直した162件のうちの1つである。

DOGEは、トランプ政権2期目の下で政府のデータを精査し、無駄な支出の削減を推進する機関として活動している。これまでに、財務省や社会保障局などのデータベースにもアクセスし、支出の見直しを進めてきた。

DOGEの活動に対する批判と法的問題

DOGEの活動には一定の支持がある一方で、その運営方法やイーロン・マスク氏の関与について疑問視する声も上がっている。DOGEの権限の合法性を巡り、複数の訴訟が提起されており、特に個人情報保護の観点から、政府データへのアクセス方法が懸念されている。

3月7日には、複数の労働組合がDOGEによる社会保障データの利用を「個人情報の侵害」にあたるとして、連邦裁判所に緊急差し止めを求める申し立てを行った。この訴訟は、法務団体「Democracy Forward」がメリーランド州の連邦裁判所に提起し、社会保障局とリーランド・デュデック代理局長を相手取っている。

労働組合側は、「DOGEが国民の個人情報に広範囲にアクセスすることは、プライバシー侵害の恐れがある」と主張し、DOGEの活動を制限するよう求めている。

連邦地裁判事の中には、DOGEの活動は「情報公開が不十分なまま進められている」と指摘する声もあるが、一方で、DOGEの即時排除が必要かどうかについては、意見は分かれている。

トランプ政権は、「DOGEの取り組みは政府の無駄と不正を排除するためのもの」と説明している。

 

ニューヨークを拠点とするエポック タイムズの速報記者。