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人気お菓子に潜む腎臓リスク  専門家が守る方法を解説

ワックスキャンディーやコンニャクゼリーなど、世界中で人気の「バズりお菓子」ですが、これらには健康を脅かす隠れた成分が含まれている可能性があります。台湾の林口長庚記念病院で腎臓専門の教授・主治医を務める顔宗海(イエン・ゾンハイ)医師は、最近、新唐人テレビの健康番組『健康1+1』に出演しました。番組内で、腎臓に悪影響を与える食べ物や、腎臓がSOSを発しているサインを見分ける方法、そして腎臓を守るためのポイントについて解説しました。

話題の人気お菓子に潜む健康リスク

顔宗海医師によると、ワックスキャンディーの多くは成分表示がされていません。包装には外側がミツロウと記載されているものの、中に詰められたシロップの成分や着色料については明確な説明がありません。また、原産地や賞味期限もはっきりと表示されていないことが多いです。このようなお菓子は主にインターネットで販売されており、正式な検査や登録が行われていないため、産地を特定することができません。顔医師は、外側のロウが本当にミツロウなのか、それとも工業用ロウなのか不明であることや、鮮やかな色が工業用着色料によるものである可能性を懸念しています。これらは健康に悪影響を及ぼすリスクがあります。

過去の報道では、ワックスキャンディーから発がん性物質「多環芳香族炭化水素(PAHs)」が検出されたこともあります。顔医師は、PAHsを含む食品を長期間摂取すると肺がんのリスクが高まる可能性があると指摘しています。さらに、ワックスキャンディーには重金属が含まれている可能性もあり、人体の臓器に悪影響を及ぼすおそれがあると警鐘を鳴らしています。

また、もう一つの人気お菓子であるコンニャクゼリーについて、顔医師は特に注意を呼びかけています。1袋(227mg)あたりのナトリウム含有量は227mgで、これは成人の1日の推奨上限(2000mg)の約10分の1に相当します。ナトリウムを多く含む食品を頻繁に摂取すると、高血圧のリスクが高まるため注意が必要です。顔医師は、消費者が安全な食品を選ぶために、以下のポイントに気をつけるよう呼びかけています。

  • 信頼できる販売店から、正規に加工・販売された食品を購入し、密輸品を避ける。
  • 賞味期限を確認し、期限切れの食品は購入しない。
  • 外装に破損がないかチェックし、衛生面に不安があるものは避ける。
  • 原産地を確認し、信頼できる供給元の食品を選ぶ。
  • 不安がある場合は、政府の衛生機関に相談し、食品が正式に登録されているか確認する。
     

飲酒は適量を守ることが大切

昨年、台湾で25歳のエンジニアが、8分間でアルコール度数40%のウォッカをベースにしたフルーツカクテル1,000mL(うち300mLは氷)を飲み、その後、何度もトイレを出入りした後に突然死亡するという事件がありました。顔宗海医師は、この男性が短時間に高濃度のアルコールを過剰摂取したことが原因で死亡した可能性があると指摘しています。

顔医師によると、アルコール(エタノール)は中枢神経を抑制する作用があり、呼吸にも影響を及ぼします。血中アルコール濃度が高くなるほど中枢神経の抑制が強まり、深刻な場合には呼吸不全や死亡に至ることもあります。以下は、血中アルコール濃度(100mLあたりのアルコール量)と精神機能への影響の関係です。

20~30mg/dL:注意力が低下し、興奮して声が大きくなる。思考力も低下する。

30~80mg/dL:動きがぎこちなくなり、行動が遅くなる。認知機能も低下し、混乱し始める。

80~200mg/dL:運動能力が低下し、歩行が不安定になる。判断力が鈍り、認知機能もぼやける。

200~300mg/dL:ろれつが回らなくなり、認知機能に異常が出る。

400mg/dL以上:昏睡状態になり、呼吸不全を引き起こし、最悪の場合死亡する可能性がある。

顔医師は、飲酒による事故のリスクについても注意を促しています。たとえば、酔って転倒し頭を強く打つ危険性があります。また、飲酒後に嘔吐して意識が朦朧としていると、嘔吐物が気道に詰まり、心肺機能の低下や突然死につながることもあります。さらに、飲酒中は血圧が上昇しやすく、心血管疾患のリスクも高まるため、適量を守ることが大切です。

アルコールは腎臓にも悪影響を及ぼします。2時間以内に4~5杯以上の酒を飲むと、血中アルコール濃度が急上昇し、「急性腎障害」を引き起こす可能性があります。また、大量の飲酒は血圧を上昇させ、腎臓に直接負担をかけ、腎不全の原因になることもあります。さらに、長期的な飲酒や過度な飲酒は肝硬変を引き起こし、腎臓の機能にも悪影響を及ぼし、腎臓病を引き起こす可能性があるため注意が必要です。

 

健康的な食生活の原則

一般の人向け食事の7つの原則(大紀元)

顔宗海医師は、健康を維持するために、日常の食生活で「低脂肪・低塩分・低糖質・低プリン体」を意識することが大切だと述べています。また、喫煙や飲酒は避けるべきだと指摘しています。

特に腎機能が低下している人は、以下の点に注意する必要があります。

・低ナトリウム(低塩分)食

塩分の多い食品を避けましょう。例えば、コンニャクゼリーなどの濃い味付けのスナックは高ナトリウム食品に該当します。過剰に摂取すると血圧が上昇し、腎機能の悪化を早める可能性があります。
 

・低タンパク質食

毎食、大量の肉を食べるのは避けましょう。タンパク質の摂取量が多すぎると、腎臓への負担が増え、腎機能の低下を加速させる原因になります。
 

・低リン食

リンを多く含む食品は控えましょう。体内のリン濃度が高くなると「高リン血症」を引き起こし、腎機能の悪化を早めるだけでなく、心血管疾患や血管の石灰化リスクも高まります。

リンを多く含む食品には、炭酸飲料、ビスケット、パン、麺類、レバーや肉類などがあります。代わりに、鶏肉、黒豆の豆乳、インゲン豆、豆腐など、リンの少ない食品を選ぶことをおすすめします。
 

・低カリウム食

カリウムを多く含む食品の摂取を控えましょう。体内のカリウム濃度が上がりすぎると、腎臓に負担がかかり、「高カリウム血症」を引き起こす可能性があります。これにより、不整脈や心血管疾患のリスクが高まります。

カリウムを多く含む食品には、グレープフルーツ、バナナ、オレンジ、レーズンなどの果物が挙げられます。腎機能が低下している人は、むしろ野菜や果物の摂取量を控えめにすることが重要です。

 

一部の鎮痛薬も腎臓に悪影響を及ぼします

顔宗海医師によると、不適切な食生活だけでなく、鎮痛薬の中には腎臓にダメージを与えるものもあります。特に、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)は腎機能に影響を及ぼすことがあるため、腎機能が低下している人は自己判断で服用すべきではありません。痛みがある場合は、まず医師に相談し、自身の腎機能の状態を伝えたうえで、腎臓への負担が少ない鎮痛薬を処方してもらいましょう。

では、腎臓がダメージを受けた場合、回復の可能性はあるのでしょうか。顔医師によれば、それは腎障害が急性か慢性かによって異なります。急性腎障害の場合、たとえば短期間で急激に腎不全が起こった場合は、適切な治療を受けることで腎機能が回復する可能性があります。しかし、慢性腎障害の場合、回復は難しくなります。たとえば、腎臓に負担をかける鎮痛薬を5年、10年、20年と長期間にわたって服用し続けると、腎臓が萎縮し、機能が失われてしまうことが多いです。その場合、腎臓の回復は期待できません。

腎臓の損傷が急性か慢性かを判断するために、医師は血液検査、尿検査、超音波検査を行います。超音波検査で腎臓の萎縮が確認された場合、多くは慢性腎障害と診断されます。ただし、糖尿病など一部の病気では、慢性腎臓病が進行しても腎臓が萎縮しないことがあります。しかし、ほとんどの慢性腎臓病では、腎臓の萎縮が見られるのが一般的です。

 

腎臓のSOSサインを見分ける

顔宗海医師によると、腎臓は「沈黙の臓器」とも呼ばれ、初期の異常では自覚症状がほとんどありません。しかし、次の5つの症状が現れた場合は、腎臓からの警告の可能性があるため、早めに医療機関で検査を受けることをおすすめします。

高血圧:もともと血圧に異常がなかったのに、突然血圧が急上昇する

貧血:これまで貧血の症状がなかったのに、急に血色素(ヘモグロビン)の値が低くなる。

泡立つ尿:排尿後、便器の中に大量の泡が残る場合、尿にタンパク質が漏れ出している「タンパク尿」の可能性がある。

むくみ:顔やふくらはぎにむくみが出る。

疲れやすい:特に重労働や運動をしていないのに、慢性的に疲れを感じる。

 

(翻訳編集 華山律)

Jojo
林一山