「小さいほど強い」 川久保玲 巨大資本主導のファッション界に異議

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=パリ 編集委員・後藤洋平
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 「SMALLER IS STRONGER」。コムデギャルソンのデザイナー川久保玲は8日、2025年秋冬シーズンのパリ・ファッションウィーク(PFW)での新作発表に際し、そんなテーマを打ち出した。いわく、「小さきものほど強い」。それは、巨大資本が主導するファッション界の現状に異を唱える決意表明で、強烈なメッセージだ。

 波打つようなピンストライプ、無数の三角錐(さんかくすい)の集合体、ひだが連なる形状、縫い合わせでギャザーをつけたシャーリング、重ね合わされたドレス……。コムデギャルソンの新作は、これまで川久保が重視してきた技術や手法を基盤としながら、これまでにない奇抜な、そしてそれ以上に華麗な服の数々だった。

 モデルたちの頭上には、これまで数々のオートクチュール(高級注文服)のメゾンから依頼をうけてきた帽子職人、日爪ノブキと協業した複雑なハットがかぶせられている。

 ランウェーを行き交うのは流…

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この記事を書いた人
後藤洋平
編集委員|ファッション・メディア・文化担当
専門・関心分野
ファッション、メディア、文化
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    藤田結子
    (社会学者)
    2025年3月11日11時12分 投稿
    【視点】

    コムデギャルソンと川久保玲のスピリットを伝える、とても共感できる記事です。ファッション好き以外にも読んでほしい。 1980年代後半から、コングロマリットは次々とファッションメゾンを買い占めました。記事にあるように、そういったブランドは、服

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