ずっと藤井聡太に尋ねたかったこと 彼が答えてくれたこと

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北野新太
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 ずっと藤井聡太に尋ねたいことがあった。将棋のことではない。私生活のことでもない。少々オーバーに言うと、生き方について問いたかった。会見には不向きな質問だろう。

 2016年に14歳の史上最年少棋士となってから7年、20歳の六冠になる今日まで彼を追い続けてきた。対局室や会見場、あらゆる場所で取材を重ねる中で芽生えたのは「なぜ藤井は他者を否定したり、他者に負の感情を表したりすることがないのだろうか」という単純な疑問だった。もともと棋士は穏やかで優しい人が多いけれど、藤井の言動には徹底して「負」の要素がなかった。

 球界、政界、芸能界。記者になって21年、様々な場所で取材をしてきた。地位や名声は時に人を傲慢(ごうまん)にし、栄光や富は人を尊大にもするが、藤井は14歳の頃も20歳の今も変わらない。貫くのは他者や世界に対する根源的な肯定である。

 寛容性を失い、誹謗(ひぼう)中傷や罵詈(ばり)雑言が暗部で交わされる現代において彼の内面は希少にも映る。家庭環境や学校教育、礼節を重んじる勝負に育まれたものだと思うけれど、生まれ持ったものという印象もある。

ずっと尋ねたかったことを問い掛けた。彼はゆっくり考えてから答えてくれた。

 3月下旬、藤井にインタビュ…

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この記事を書いた人
北野新太
文化部|囲碁将棋担当
専門・関心分野
囲碁将棋