将棋名人戦、88年前の改革が転機 いまも破られない40年前の記録
将棋の「名人」には400年を超す歴史と伝統がある。各時代を代表する名棋士たちがその座を巡って競い合い、数々のドラマを生んできた。5日開幕の第81期名人戦七番勝負(朝日新聞社、毎日新聞社主催、大和証券グループ協賛)では、3連覇中の渡辺明名人(38)に名人戦初登場の藤井聡太竜王(20)が挑む。長く後世に語り継がれることになるシリーズが始まる。
技芸に秀でた人を指す「名人」。分野を問わず広く使われる言葉だが、将棋の最高位者を指すようになってからの歴史は長い。
将棋の名人は、初代大橋宗桂が1612年に江戸幕府から俸禄(給与)を与えられ、その地位が認められた。後に、名人や時の実力者らが江戸城で腕前を披露する「御城将棋」も行われるようになった。当時の名人は限られた家元の人間しかなれない世襲制で、死ぬまで名乗り続ける終身制だった。
江戸時代が終わって幕府の庇護(ひご)がなくなり、将棋界は苦境の時代を迎えます。娯楽として人気が出たのは、ある改革が契機でした。後半では、昨年永世名人を襲位した谷川浩司十七世名人らのコメントをご紹介します。
江戸時代が終わって家元制が…
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