トランプ氏、カナダへの新たな関税示唆 乳製品に税率250%も
(CNN) カナダから輸入するほぼ全ての品目に25%の関税をかける措置を約1カ月延期した翌日の7日、トランプ米大統領はカナダの木材と乳製品に対して早ければ同日中にも新たな関税を課す考えを示唆した。巧妙な駆け引きが繰り広げられる通商政策が、時間を置かずまた別の展開に突入した形だ。
トランプ氏は大統領執務室で、「カナダは長年、木材と乳製品によって我々を食い物にしてきた」と主張。カナダへ輸出される米国産の乳製品に対しざっと250%の関税をかけているのがその理由だとした。その上で、米国もそれに見合うだけの関税をかけると明言した。
「早速今日にも実施するかもしれないが、そうでなければ10日か11日まで待つことになるだろう」「我々は同じ分だけ課税する。現状は公平ではない。これまでも公平だったことは一度もないし、彼らは我が国の農業経営者を不当に扱ってきた」(トランプ氏)
カナダのイン輸出促進・国際貿易・経済開発担当相はトランプ氏のコメントに反論。カナダが米国を「食い物にしている」という主張は「事実ではない」と指摘した。
その上でトランプ氏が提示した乳製品と木材に対する報復関税は「全く正当化できない」と訴えた。
トランプ氏は関税を巡り、今後も「変更や調整」が行われるはずだとの見通しを示した。
製材所に積まれた木材=2023年8月、カナダ・ブリティッシュコロンビア州/Chris Helgren/Reuters
カナダは特定の乳製品に法外な関税をかけている。牛乳には最高で241%の関税をかけることも可能で、米国の酪農業者は長年にわたって不満を表明してきた。ただ当該の関税はスライド制で、米国からの乳製品輸出が一定の割り当て量に達した場合のみ発動する。過去米国がこの水準に到達したことはないが、それはカナダ側が自国の酪農産業保護のための措置を複数講じているのが要因だ。
木材についてトランプ氏は、米国産だけで国内の需要を満たせると主張する。しかし業界の専門家らは、関税によって最終的に木材生産や建築のコストが上昇する恐れがあると警告。住宅価格も押し上げるかもしれないと懸念を示している。