一時保護の判断、AIの導入見送り リスク見落としも こども家庭庁

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川野由起
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 虐待を受けた子どもを児童相談所(児相)が一時保護するかを判断する際に、リスクを判定したスコアを出し、職員の判断に役立てる人工知能(AI)について、こども家庭庁は今年度に自治体への導入を目指していたが、延期を決めた。判定に見落としがあったり、児相の職員が見て疑いがあったりする判定が多かったため。昨年12月の児童虐待防止対策部会で明らかにした。

 児相の負担軽減や判断の質の向上のため、国が2021年度から総額約10億円をかけて開発を進めていた。全国の児相から提供された5千件の事例をAIに学習させ、傷の有無や子どもが帰宅を拒否しているか、虐待歴があるかどうか、保護者の態度など91項目を設定。これらを入力すると、0~100点でリスクを示すスコアが出る。

 今年度に試作モデルで10自治体の100事例を試行的に検証したところ、児相の幹部職員らから、62件でスコアが「低い」「高い」といった疑義が生じたという。

 「母に半殺し以上のことをさ…

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この記事を書いた人
川野由起
くらし報道部
専門・関心分野
こどもの虐待、社会的養育、アディクション
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    千正康裕
    (株式会社千正組代表・元厚労省官僚)
    2025年3月3日19時32分 投稿
    【視点】

    虐待通告件数が増加する中で、児童相談所の現場では、ベテランが減って経験年数の短い職員が増えている。児童相談所の対応力強化、人材育成、業務効率化は喫緊の課題だ。 そうした課題に対応するため、数年前にAIツールの開発をすることになった。 こ

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  • commentatorHeader
    三木由希子
    (情報公開クリアリングハウス理事長)
    2025年3月3日22時4分 投稿
    【視点】

    子どもの虐待の早期発見、リスク評価にAIを活用するシステムの導入をした三重県は、2012年に相次いだ虐待死事件を受けて、リスクアセスメントツールを開発・運用してきました。2023年にAI判定システムでの判定結果も踏まえて、一時保護ではなく家

    …続きを読む