ホンダ主導の3社連合、色濃い「日産救済」 シナジーは本当にあるか

有料記事

西山明宏 稲垣千駿
[PR]

 ホンダ日産自動車経営統合が再来年の夏にも実現する方向となった。三菱自動車も合流する方針だ。世界の自動車を巡る競争環境はめまぐるしく変化している。3社連合の向かう先には、難路も見うけられる。

 「両社の理念やブランドは変わることなく引き続き残していく」。23日の記者会見でホンダの三部敏宏社長は、目指す統合の姿をこう語った。

 しかし、計画に沿えば、新会社の主導権は明確にホンダ側にある。時価総額で4倍以上大きいホンダが、日産との経営統合で誕生する持ち株会社の社長や取締役の過半をいずれも指名する。統合の前提条件には、業績が悪化した日産のリストラの実施が盛り込まれた。ホンダの三部社長も「当初はホンダがリードしながらこの枠組みを進めていくことになる」と明言。「日産救済」の色合いは鮮明だ。

 そもそも「今回の統合を急いだのはホンダだった」。複数の関係者はこう口をそろえる。トヨタ自動車マツダやスズキなど国内大手と資本提携を進めるなか、ホンダの歴代トップは独自路線を貫いてきた。

 だが、世界の大手メーカーも…

この記事は有料記事です。残り1865文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

【春トクキャンペーン】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら

この記事を書いた人
西山明宏
経済部|自動車業界担当
専門・関心分野
中国経済、通商政策、民間企業
稲垣千駿
経済部|トヨタ自動車担当
専門・関心分野
自動車・証券業界、企業統治、金融政策
  • commentatorHeader
    佐倉統
    (東京大学大学院教授=科学技術社会論)
    2024年12月24日9時15分 投稿
    【視点】

    「日本企業の合併って1+1=0.75になるんだよね」。以前、某メーカー出身の研究者が冗談めかしてこう言っていた。1.5ですらなくて、元のパフォーマンスより下がるところが辛いが、彼がいたメーカーはまさにこういう経過を辿って衰退していったとのこ

    …続きを読む
ホンダ・日産統合協議 破談

ホンダ・日産統合協議 破談

自動車業界大手のホンダと日産自動車の経営統合協議が打ち切られました。1カ月半にわたる統合協議で何があったのか。関連ニュースをまとめてお伝えします。[もっと見る]