郡とは、地域区分の一種である。
概要
郡は日本のほか、中国や朝鮮といった漢字文化圏において見られる。
現代日本における郡は都道府県の下に置かれ、市や区を含まない町村で構成される。なので町村が市制を施行して市に移行した場合は、その市は郡から除外される。町村はすべていずれかの郡に所属すると思われがちだが、東京都小笠原村のように、どの郡にも属さない町村もある。
かつては地方公共団体としての性格も持っていた時期もあったが、現在は地名を書き表すのに使われるくらいである。平成の市町村合併により郡の数も激減し、郡の存在意義は希薄になってきている。
豆知識
2024年現在、日本で最も所属する町村が多い郡は長野県下伊那郡(13町村、松川町・高森町・阿南町・阿智村・平谷村・根羽村・下條村・売木村・天龍村・泰阜村・喬木村・豊丘村・大鹿村)である。
逆に1町村しかない郡は全国に多数あるが、その背景には町村の数が昔に比べて減少していることがある。上記のように郡そのものの数も減少しているが、わずかながら最近になって新設された郡も存在する(北海道二海郡、石川県鳳珠郡など)。
ちなみに2024年現在、面積が最も広いのは北海道紋別郡(3,912.64km2)、人口が最も多いのは福岡県糟屋郡(約23万人)である。
その他の意味
人名
日本に郡姓がある。
漢字として
- 意味
- 行政区画の単位。
- 〔説文解字・巻六(段注本)〕には「周の制。天子の地、方千里なり。分けて百縣を爲す。縣、四郡を有す。故えに春秋傳に曰く上大夫は縣を受く。下大夫は郡を受くとは是れなり。秦に至りて初めて三十六郡を置き、以って其の縣を監す」とある。周代に県の下に郡が置かれ、秦代になって郡の下に県が置かれたことを述べる。
- 字形
- 形声で声符は君。
- 音訓
- 音読みはクン(漢音)、グン(呉音)、訓読みは、こおり。
- 規格・区分
- 常用漢字であり、小学校4年で習う教育漢字である。1946年に当用漢字に採用され、1981年に常用漢字になった。JIS X 0213第一水準。
- 語彙
- 郡尉・郡国・郡守・郡望
異体字
- 𨛦は、〔字彙補〕に「郡本字」とある異体字。
関連項目
親記事
子記事
- なし
兄弟記事
- 石川県
- 岩手県
- 大阪府
- 高知県
- 市町村
- 仙台県
- 特定の都道府県に行き来することを指す熟語の一覧
- 日本の都道府県の一覧
- 宮城県
- 山口県
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