現在、スバルの業績は絶好調だ。利益のほとんどをアメリカ市場が稼ぎ出し、売り上げも過去最高を更新している。 しかし、そんなスバルも最初から順調だったわけではない。かつてアメリカ市場では長らく苦戦を強いられた。その状況を一変させたのが、他社が目を向けなかったニッチ市場への大胆なアプローチだった。 スバルがとった大胆な戦略スバルオブアメリカ公式サイトより筆者スクリーンショットスバルは1990年代半ばまで、アメリカ市場で成功を収めているとは到底言えなかった。1980年代後半から1990年代初頭にかけて販売台数は低迷し、ブランドの方向性にも迷いがあった。 この危機的状況を打破するため、スバル・オブ・アメリカは新たな市場戦略を模索し始めた。当時、スバルの最大の課題は、「質実剛健だが地味」と評される自社のクルマをいかに魅力的に見せるか。元々アウトドア愛好家や教育者、医療従事者をターゲットにしていたが、市