小学校の時から勉強だけはできる問題児で、発達の足りない部分を勉強と本で読んだ知識で全力で補完してるような子どもだった。勉強ができても地元にはそれに見合う女子向けの進学先はなく、とにかく鬱屈してた。全国模試で県下2位をとっても地元公立中学確定、そこから進学できる地元の高校は総合選抜の横並びだし、先が見えていた。 1980年代前半の地元公立中学は、ヤンキーが積木をくずしたり盗んだバイクで走り出したりしてる世界であり、案の定いじめられたし、学習意欲もすっかりなくなり、授業中はずっと回し紙にBL小説を書いたり、ノートでゲームブックを作ったりしていた。高校は公立高にその年からできた進学コースに入れたけれど受験勉強はロクにやらなかった。なんとか地頭だけで大学に入り故郷を離れることに成功したものの、他人とのコミュニケーションも一人暮らしに必要な手続きも、とにかく年相応の社会的スキルは何もかも持ち合わせて