「かつや」が新商品『ハムエッグカツ丼』を発売した……と聞いて、何回目だ? と思った方もいるかもしれないのでお伝えしておくと、なんと今月3回目である。エンドレスエイトかよ(涼宮ハルヒの憂鬱より)。

3種類の『ハムエッグカツ丼』を3週連続で発売するという狂気のチャレンジ企画を実施中の俺たちの「かつや」であるが、その最終章となる第3弾が2025年3月21日より販売されているぞ。伝説の瞬間をどうか見逃さないでほしい。

・「かつや」新商品

新商品『ハムエッグカツ丼』はいつものように定食の設定はなく、丼オンリーだ(テイクアウトは可)。価格は第1弾、第2弾と変わらず税込869円。前回までの内容を軽く振り返っておこう。


第1弾はハンバーグカツ・から揚げ・海老フライ。


第2弾はチキンカツ、海老フライ、ホタテフライ。


……と書いたところで、見た目は完全に同じである。いや、もしかしたら今回の第3弾は劇的に変わっているのでは? と心配に思った “かつや者” の皆さん、どうかご安心いただきたい。


狂おしいほど同じだ。

・スリーセブン

もはやデジャブどころの騒ぎではない。世の中には自分とそっくりな人間が3人存在するとよく言うが、その3人が一堂に集結した形である。ドッペルゲンガー丼なる新たなジャンルが今ここに誕生した。


フタのように覆いかぶさるハムエッグには卵が2個使われており、その上には大量のマヨネーズと、なぜかカレー粉が振りかけられているが、さすがにもう見慣れて普通に思えてきたぞ。感覚が麻痺してきている。


前回同様、卵がいい感じに仕上がっているので、めくって中身を確かめてみるとしよう。さあ、気になるメンバーはというと……


80gロースカツ!


以上である!!



・捨て身の一点突破

な、何ィィィィィィイイイイ!? ここへ来てまさかのロースソロだとォォォォォオオオオ!

から揚げやハンバーグカツ、チキンカツといった多種多様な揚げ物がひしめき合っていた第1弾、第2弾とは打って変わり、「かつや」の原点にして最強の矛でもあるロースカツを単騎投入してくるとは……。

なるほど。強化に強化を重ねた末、最終的に『ハムエッグカツ丼』が辿り着いたのは、多くの予想を裏切るシンプルかつソリッドなフォルムだったというわけだな。フリーザかお前は。

・むしろ最適解

しかし いざ食べてみると、過剰だった情報がすっきりしてハムエッグとロースカツのみに集中できるため、全体の輪郭をより掴みやすくなった。本質が見えてきたというか。

その時、私の頭をよぎったのは、2023年前後に流行った焼きカツ丼というジャンルのカツ丼亜種である。要は、卵でとじないカツ丼のことだ。


実は「かつや」も2023年1月に『ふわたま白カツ丼』という名前で、この焼きカツ丼を彷彿とさせる商品を発売している。

そうか、先ほどから感じ続けていた既視感の正体はこれだったのかもしれないな。たしかに両者はどことなく雰囲気が似ている……


ただぁ!


あくまで卵でとじていないだけの焼きカツ丼に対し、『ハムエッグカツ丼』はもっと革新的で、もっと合理的で、もっと先鋭的である。なぜなら『ハムエッグカツ丼』は……


本来なら交わらないはずのソースカツと……


卵が謎の同居を果たしているからだ!



・奇跡の融合

ソースカツ丼として食べることもできれば、卵をたっぷり絡ませて通常のカツ丼っぽく食べることもできる。カツ丼とソースカツ丼。ありそうで実はなかったカツ丼二段構えである。

そう、「かつや」はこの『ハムエッグカツ丼』によって、カツ丼の未来を更新することに見事成功したのだ! しゅごいしゅごいしゅごいィィィィィィイイイイ!! これを快挙と呼ばずに何と呼ぶのか!?

・全力謝罪

「かつや」よ。この企画が発表された時、狂気だのアホなギネスチャレンジだの、90年代のラルクでもやらんだの好き勝手言ってすまんかった。お前こそフューチャー・オブ・カツ丼! さすが俺たちの「かつや」である!!



まあこうなると、いよいよハムエッグのハムの存在意義がよく分からなくなってくるが、ハムのことは忘れろ。今は『ハムエッグカツ丼』第3弾が成し遂げた偉業を共に称えようではないか。


……と思ったら、なんとこの『ハムエッグカツ丼』、3月27日で終了するらしい。いや偉業短けェェェェェェエエエエ! 

まさかせっかく更新した未来を自ら終わらせにかかるとは思わなかったが、最後にいらんオチをつけるあたり、どうしようもなく「かつや」である。“かつや者” 諸君は、この体を張りまくった一世一代のボケを見逃さないように。ではまた。

参考リンク:かつや
執筆:エクストリームかつや者・あひるねこ
Photo:RocketNews24.

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▼余談だが、発売当日に記事を出せなかったのは理由がある。