【ニュースレターが届かない場合】無料会員の方でニュースレターが届いていないというケースが一部で発生しております。
届いていない方は、ニュースレター配信の再登録を致しますので、お手数ですがこちらのリンクからご連絡ください。
~家族で楽しく学ぶイソップ寓話~

いじわるな犬【イソップ物語】ゆずる心の大切さ 〜飼い葉桶の犬から学ぶこと〜

ある日、一匹の犬が、干し草でいっぱいの*「かいばおけ」の中でぐっすり眠っていました。 そのころ、畑仕事でとても疲れ、お腹をすかせた牛たちが、ごはんを求めてやってきました。 そして、犬は牛たちに起こされました。

しかし、犬は牛たちを「かいばおけ」に近づけませんでした。犬は「かいばおけ」の中に自分の大好きな肉や骨が入っているかのように、うなり声を上げて牛たちをこわがらせました。まるでその干し草がすべて自分のものだと思っているようでした。

「飼い葉桶の中の犬」は、ミロ・ウィンターが描いた『イソップ物語』より、1919 年。(PD-US)
「飼葉桶の犬」イラスト:マイロ・ウィンター、出典:『子どもたちのためのイソップ物語』(1919年)パブリックドメイン

 

牛たちは犬を見て、いやな気持ちを持ちました。

「なんてわがままな犬なんだ!」と一頭が言いました。「犬は干し草を食べることができないのに。私たちはお腹がすいているのに、近づくのを許さないなんて!」

そこへ農業をしているおじさんが入ってきました。おじさんは犬の様子を見て、優しくけれどもしっかりと犬を*「うまや」の外に連れ出しました。

 

このお話から、私たちが学べることは、

『自分が使わないものでも、ほかの人が使うのをじゃましない』

だから、「自分に必要ないものは、必要な人にゆずる心」 をもつことが大切です。

このお話を思い出して、「やさしく思いやりのある心」 を大切にしてくださいね!

 

せつめい

*1 「かいばおけ」とは、牛や馬などの動物にえさを入れる木製の容器のことです。

*2 「うまや」は馬の家です。ここで馬はねたり、ごはんを食べます。

 

 

この物語は『イソップ物語』(1919年)から抜粋されたものです。

イソップ(紀元前620年頃–紀元前564年頃)は、ギリシャの物語作家であり、「イソップ寓話」として知られる多くの寓話を残した人物です。彼の物語はその道徳的価値を通じて、長い間、私たちの文化や文明に影響を与えてきました。これらの話は、子どもたちの教育や道徳的な人格形成に貢献しただけでなく、普遍的な魅力を持ち、大人たちがその中にある美徳や警告に耳を傾けたりすることで、自己反省にも繋がっています。