この記事のタイトルは、人生の多くを向上させることができる唯一のテクニックが存在するという、大胆な主張をしています。それを裏付ける論理的な根拠を説明したいと思います。
人生の様々な面を改善するための最も効果的な方法は、意図を持って行動することです。意図的かつ目的を持って行動すれば、成功する可能性が高くなります。
では、意図的に行動するとはどういうことでしょうか?
意図的であるためには、反省すること、思慮深く考えること、そして意識的に選択することが必要です。これは、衝動的に行動し、表面的なことしか考えない通常の状態とは異なります。
私にとって、通常の状態から意図的な状態に切り替える最も簡単な方法は、自分自身にシンプルだけれども深い質問を投げかけ、それに答えを出すことです。
この方法は、古代ギリシャの哲学者ソクラテスの教え方に基づいています。ソクラテス式問答法では、通常2人以上の人が友好的で協力的でありながらも、意見を論じ合いながら対話を行います。一方がもう一方に優しく質問を投げかけ、お互いに深い理解と真実の追求を目指します。
しかし、2人いなくても同じことができます。自分自身にゆっくりと問いかけ、自分の考えに挑戦することで、同じような効果を得ることができるのです。
ソクラテス式問答法の使い方
良い「ソクラテス式」の質問をするための特別な秘訣はありません。「なぜ」「何」「どうやって」といった一般的な質問から始めるのが一般的に良いスタートになります。
たとえば、「なぜ」という質問を繰り返すことで、自分の考えに隠された深い理由や前提を掘り下げることができます。
ソクラテス式問答法は、親しい友人と問題や決断について話し合うこととよく似ています。自分の考えを声に出して話すことで、特定の分野における自分の動機がいかに薄弱で虚しいかがわかるかもしれませんし、普段なら見逃してしまうような新しい発見をすることができるかもしれません。
1人で行なっても効果はありますが、信頼できる誰かと一緒に行うとさらに効果的です。もともとソクラテス式問答法はそのようにして使われていました。あなたの悩みを相談する相手は、自然にこの方法を使っています。彼らはあなたの問題を解決しようとしているのではなく、あなたが問題についてもっとはっきりと深く考えるのを手助けしているのです。
1人で行うにしても、友人と一緒に行うにしても、ソクラテス式問答法は、人生のあらゆる面で意図的に取り組むための有力なツールです。
私のお気に入りの「ソクラテス的」質問
以下は、私が自分を奮い立たせるために使っている質問の例です。私と同じように、ストレス、退屈、無気力といったネガティブな感情に直面した時、これらの質問を使うと良いでしょう。これらの質問は、感情を目標に合わせるための優しい方法です。
「何を」の質問
私は何を達成しようとしているのか?
私は何を欲しがっているのか?
私は実際に何を望んでいるのか?
何を真実だと仮定しているのか?
私は何を待っているのか?
「なぜ」の質問
私はなぜそれを望んでいるのか?
私はなぜこんな風に感じるのか?
なぜこれがうまくいかないのか?
なぜこれがうまくいくと思うのか?
「どうやって」の質問
私の信念はどうやって私の見方に影響を与えるのか?
どうやって始めればいいのか?
将来これをどうしたいのか?
どうすればこれをもっと楽しむことができるのか?
ソクラテス式問答法の3つのメリット
「すべてを改善するシンプルな方法」というのは、大胆な主張です。実際、ソクラテス式問答法は万能薬ではありません。効果を得るためには、努力して真剣に取り組む必要があります。
それでも、この方法を実際に使えば、多くの状況で物事を大きく改善できると思います。自己(または友人)への問いかけのプロセスが効果的なのは、以下の3つのメリットがあるからです。
1.忙しい世の中で立ち止まれるようにすること
この忙しくて気が散りやすい時代において、私たちの多くの決断は感情的な衝動によって行われがちで、あるいは、無意識のうちにいつものパターンに従ってしまいます。こうした時代には、立ち止まってじっくり考えることが非常に貴重です。
2.表面的な考えから深い考えへ導く
昔からそうだったのか、スクリーンによる絶え間ない刺激が原因かは定かではありませんが、深く考えることが少なくなっています。ソクラテス式問答法は、重要な問題についてじっくりと考えるよう促します。普段は短絡的な思考をしがちですが、この方法を使うことで、しっかりと深く考えることができるようになるでしょう。
3.積極的な意図を設定し、行動の方向を明確にする
ソクラテス式問答法は、単なるアイデア出しのツールではなく、質問を通して深く考えることを促します。これらの答えは理想的なものかもしれませんが、自分の理想像やその実現方法を具体的にイメージする手助けになるでしょう。何を目指しているのかを明確にすることは、その目標に向かうための重要な第一歩です。
(翻訳編集:華山律)
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