2025年3月28日、ファーウェイより、コンパクトで軽量なスマートウォッチ「HUAWEI Band 10」が登場した。24時間着けっぱなしでの健康管理に適した超軽量モデルの、最速レビューをお届けしよう。
<「HUAWEI Band 10」のポイント>
・健康管理に適した超軽量なコンパクトモデル
・充実した健康&睡眠管理機能
・iPhoneとAndroidどちらのスマホにも対応
「HUAWEI Band 10(アルミニウム合金モデル)」、市場想定価格8580円(税込)、2025年4月10日発売
スマートウォッチを着ける目的は人によって異なるが、もしあなたが健康管理を目的にスマートウォッチを着けるのなら、「HUAWEI Band 10」は正解だ。というもの、健康管理を目的とした場合、24時間着けっぱなしで過ごせる快適な着け心地が重要だからだ。
スマートウォッチでの健康管理は、搭載されたセンサーを用いて、心拍数などの健康指標を測定し続け、身体状態の変化を記録。日中だけでなく、睡眠中や運動中も行うことで、より多角的な健康管理が可能となる。そのため、スマートウォッチは、昼夜を問わず着けっぱなしで過ごせるのが理想だ。
だからこそ、スマートウォッチでの健康管理は、着け心地が重要となる。筆者が考える快適な着け心地を左右する要素は、(1)コンパクトさ(2)軽さ(3)バンドの着け心地の3点で、「HUAWEI Band 10」は、それらを満たす理想的な一台と言える。
ディスプレイには有機ELを採用しており、コンパクトでも発色が鮮やかで見やすい
「HUAWEI Band 10」の本体サイズは、約25.54(幅)×43.45(長さ)mmとコンパクト。腕に着けると、従来の腕時計よりもずっと小さいことがよくわかる。
厚さは約8.99mmと薄く、腕にフィットする
重量は約15gときわめて軽い。一般的なボールペンの重量が約20gなので、いかに軽いかがわかるだろう。ところが、本体素材にはアルミニウム合金を使用しているので、金属ならではの上質感と、腕との間でズレにくい安定感がある。
また、装着感を左右するバンド素材には、やわらかくてアレルギー反応を起こしにくいフルオロエラストマーを採用。幅が細いことで、長時間の着用でも圧迫感はなく、ムレにくい印象だ。
調節用のピン穴が多いことも、ムレの抑制に影響していそうだ
ここからは、「HUAWEI Band 10」に搭載された健康管理機能をチェックしよう。
「HUAWEI Band 10」で測定できる健康指標は、心拍数、血中酸素レベル、ストレスレベル、情緒、睡眠、生理周期だ。腕に着けて過ごしていれば、これら指標が自動的に測定され、データとして記録される。
基本的に、リアルタイムの数値や1日分など短期間のデータはウォッチのディスプレイで確認でき、一週間や一月分といった長期間の記録は、スマホアプリ「HUAWEIヘルスケア」で確認することになる。
健康指標の一覧画面。左はウォッチ画面。右はスマホアプリ「HUAWEIヘルスケア」の画面
ちなみに、スマホアプリ「HUAWEIヘルスケア」のダウンロードは、iPhoneであれば「App Store」から。Androidスマホの場合は、「Playストア」からダウンロードができないため、ウォッチに表示されるQRコードを読み取ることで、ダウンロードが可能だ。
スマホアプリ「HUAWEIヘルスケア」では、各項目のデータを指標別に細かく確認できる。さらにデータを蓄積することで、自分自身の平均値や、一般的な平均値との比較といった健康状態の分析を行うことが可能となる。
スマホアプリで各健康指標の詳細をチェックできる。左から、血中酸素レベル、ストレスレベル、情緒
「HUAWEI Band 10」は、冒頭で紹介したとおり、コンパクトなデザインや軽量さを追求したモデルだ。だからこそ、睡眠中でも、スマートウォッチをあまり気にすることなく睡眠できる。1週間着けたまま睡眠をしてみたが、時折着けていることを忘れられるほど、気にならずに睡眠していたほどだ。
睡眠管理機能は、総合的な睡眠の質を100点満点で表す「睡眠スコア」や、深い睡眠、浅い睡眠、レム睡眠など、睡眠ステージの変化をグラフで確認できるなど、普段知ることのできない、睡眠中の身体状態の変化を視覚的にチェックできるのが魅力だ。
朝起きると、ウォッチで睡眠結果が確認可能。ウォッチでもかなり細かなデータが確認できる
さらに、「HUAWEI Band 10」から新たに搭載されたのが「睡眠分析機能」。7日間の睡眠データを分析することで、各指標の平均値と昨晩の結果を比較しウォッチで確認できる。また、一般的な平均ラインとの比較や、睡眠生理学的なアドバイスを確認できるなど、データを取得するだけでなく、データを基にした改善案を提案してくれるのだ。
スマホアプリでは、ウォッチよりも詳細な睡眠データが確認できる。項目も豊富だ
スマートウォッチと言えば、ワークアウト(運動管理)も忘れてはいけない。「HUAWEI Band 10」は、ランニング、サイクリングなどの人気メニューから、釣り、ダンスまで、100種のワークアウトに対応する。
「水泳」では、9軸センサーとAIアルゴリズムを使用して、水泳フォームの検出が可能となっている。防水性能は5ATMであり、プールでの水泳データの測定にも対応できるほどなので、日常的な水濡れを心配する必要はない。
ワークアウトは、ディスプレイからアイコンをタッチするほか、本体横のボタンを押すことでもクイックに起動できる
試しに、ランニングを起動して実際に走ってみた。筆者は日常的にランニングをしないため、きわめて初心者的な目線ではあるが、思っていた以上に細かなデータが測定できた。
運動中の心拍数の変化と距離、歩数、ペースといったデータは、多くのスマートウォッチで取得できるので想定内だったのだが、持久力の目安となる最大酸素摂取量(VO2Max)や、身体回復までの残り時間が測定できたことは、1万円を切る低価格なモデルとしては意外だった。
もちろん、3万円近くするランニング用スマートウォッチと比較してしまえば、専門性は低いが、日々のランニング力の向上程度であれば、「HUAWEI Band 10」で測定できるデータとにらめっこしながら、楽しいランニングライフをおくれると感じた。
ランニング後にウォッチで確認できる指標は、思いのほか豊富だ
スマホアプリでランニング結果を確認すると、多彩なデータをチェックできる
「HUAWEI Band 10」には、GPSが搭載されていないため、位置情報は接続しているスマホのGPSを使用することになる。筆者もパンツのポケットにスマホを入れたままランニングを行って測定した。
バッテリー持続時間に関しては、メーカー公称値によると、通常使用で約14日間、ヘビーユースで約8日間。さらに、約5分間の充電で約2日間の使用が可能となっている。
実際に、筆者が着用をスタートしてから10日間で、バッテリー残量は20%。使い方にもよるが、ほぼメーカー公称値どおりの結果であり、バッテリー切れを気にすることなく使えそうだ。
また、スマホに届いた通知を知らせたり、再生中の音楽アプリを操作したりといった、スマホとの基本的な連係機能は備わっている。ただし、ウォッチで電話の着信に応答するBluetooth通話機能が搭載されていないことは理解しておこう。
ストップウォッチ、アラーム、天気情報、懐中電灯、タイマー、スマホ探索など、手元で操作できると便利な機能はひと通り搭載されている
超軽量でコンパクトな「HUAWEI Band 10」は、着けたままでもストレスなく寝られる睡眠管理に最適な一台だ。また、小さなサイズは、運動中にも気にならず扱いやすい。GPSと通話機能が非搭載であることが気にならなければ、初めて買うスマートウォッチとしてもおすすめできる完成度だ。
今回試用した「アルミニウム合金モデル」のほかに、素材の異なる「通常モデル」も登場。市場想定価格6,800円(税込)とさらに安いので、素材感をチェックして検討してほしい。